
春日部市は4月から、ベトナム語・中国語・英語・トルコ語・フランス語が話せる外国人を3人採用している。
会計年度任用職員としての採用。市役所1階の総合案内で各課への案内や困り事の聞き取り、関係課へのつなぎ役や文書の翻訳などを行う。
同市の外国人住民は2024年10月1日時点で6182人(人口の約2.7%)となり、5年間で約2200人増加した。外国籍の住民で多い国はベトナム、中国、フィリピン。外国人観光客も増加しており、昨年度に春日部市観光協会が運営する春日部情報発信館「ぷらっとかすかべ」(粕壁1)を訪れた外国人の数は前年度の3倍で約2.4万人になった。
この現状を踏まえ、自治体シンクタンク「かすかべ未来研究所」が「地域住民と外国人との共生における課題の研究」を昨年度行い、研究結果に基づいて外国人職員の採用を提案し、実現につなげた。
これまで、観光客対応や、転入手続きのなどの案内をしているという。トルコ出身で英語・トルコ語・フランス語が話せるゼキ・サアッチさんは「福祉に関する案内をすることもある。『手続きが楽にできた。ずっとここにいてほしい』と言われたこともある」と話す。
一方で「ぷらっとかすかべ」への来館者は、クレヨンしんちゃん目的の観光客が9割を占める。国別で見ると昨年度は中国、韓国の順でほとんどがアジア圏から。タイからの観光客も増えているという。
同館事務局長の折原章哲さんは「英語が話せる職員は多いが、ここで働き始めて、中国語、韓国語を学び話せるようになった人もいる。観光客に滞在期間、宿泊場所、目的、要望などのアンケートを取り、分析を続けている。リピーターを増やしていけたら」と話す。