20年にわたり点灯してきた「水辺の園しおり」(春日部市本田町2)のクリスマスイルミネーションが今年、最後の点灯を迎えている。
2006(平成18)年4月に開業した同施設。同年12月に初めて、建物や庭にクリスマスイルミネーションを飾り付けた。取締役の松村まさ美さんは「以前住んでいたさいたま市の周辺ではイルミネーションが盛んで、自宅にも飾り付けていた。結婚を機に春日部に移り住んだが、実家のイルミネーションがもったいないと思い、当園に飾り付け始めた」と話す。
飾り付けは、松村さんの父・斉藤正夫さんが行う。少しずつ変更したり数を増やしたりしながら毎年続けた。松村さんは「徐々に近所の方から『今年はいつから始めるの』と尋ねられるようになった。当施設は少し分かりづらい所に位置しているが、タクシーの運転手さんに『川沿いのキラキラした所』と伝えれば分かってもらえるようになった」と話す。
今年は、観覧車や馬車、サンタクロース、列車、手作りの「しおり」という文字などを飾り付けている。点灯開始は12月1日。斉藤さんが85歳になり、飾り付けが難しくなったため取りやめる予定だった。松村さんは「知り合いが手伝ってくれたため点灯できたものの、今年が最後になる」と話す。
今年が最後ということをSNSなどで伝えたところ、イルミネーションを撮影したり、見に来たりする人が例年よりも増えているという。周辺在住の男性は「この時期になると、仕事帰りや子どもたちの送り迎えなどで通るときに見て癒やされている。子どもたちも『サンタさんだ、すごい』と楽しんでいた。最後と聞いて寂しい気持ち」と話す。
斉藤さんは「屋上部分などは、はしごを使うなど大変なこともあったが、施設の利用者や周辺の人に喜んでもらおうと頑張った。たくさんの人に感謝してもらえてうれしい。寂しい思いもあるが、最後にたくさんの人に見てもらえたら」と笑顔を見せる。
点灯時間は16時30分~22時。12月25日までを予定。