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春日部市郷土資料館で麦わら展示会 帽子の材料が西洋へ輸出されていた時代も

麦稈真田を持つ学芸員の榎本さん

麦稈真田を持つ学芸員の榎本さん

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 展示会「麦わらのかすかべ」が7月23日から、春日部市郷土資料館(粕壁東3、TEL 048-763-2455)で開かれる。

【写真】田中帽子店提供のミシンも展示

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 市制20周年を記念し、市民に親しみがある特産品の麦わら帽子を特集。歴史的背景や製造工程が分かる写真などの資料、麦わら帽子の材料になる麦稈真田(ばっかんさなだ)、麦わら帽子などを展示するほか8月20日には同館学芸員が展示を解説する。8月31日には講師を招いた記念講演会を行い、9月6日には展示解説講座を開く。

 明治時代、春日部エリアでは農家の副業として麦稈真田の生産が始まり、やがて帽子も作るようになった。現在市内にある製帽所はわずか2カ所ほどだが、明治時代の終わりには、麦稈真田などの製造者や問屋などの関連事業者数が100以上だったとされる。大正期から昭和初期、製帽関連工場が集まった粕壁町は「帽都(ぼうと)」と呼ばれることもあったという。

 「江戸時代に現在の東京都大田区で始まった麦わら編み細工。その後生み出された麦稈真田編みが春日部に早い段階で伝わった。明治時代には麦稈真田をはじめとした帽子の材料が外国へ輸出され、ニューヨークやロンドンなどで女性の西洋帽に使われた。安価な編み賃で日本の農家の女性が作った材料で作られた帽子を上流階級の女性が使っていたという構図が興味深い」と学芸員の榎本博さん。「これまで麦わらは作り方の展示などが多かったが、今回はかなり掘り下げて調査した。春日部の麦わら帽子のよさを改めて知ってもらえたら」と力を込める。

 開催時間は9時~16時45時。月曜・祝日休催。入場無料。9月7日まで。

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