
春日部駅高架化関連工事が進み、仮の東武アーバンパークライン(野田線)ホームとなる3・4番線ホームが10月4日終電で閉鎖されることから、現在のアーバンパークラインホームにある人気ラーメン店「東武らーめん」の今後の動向が改めて注目されている。
2019年12月に事業認可された同駅の連続立体交差事業。同駅を中心として東武スカイツリーラインと東武アーバンパークラインの鉄道を高架化し、「開かずの踏切」といわれる124号踏切をはじめ10カ所の踏切を撤去するなどして交通の円滑化を図る。
東武アーバンパークライン側から高架化するため、現在は線路を東口側に一線ずつ移設している。今回閉鎖するホームは今後、仮の東武アーバンパークライン上下線ホームとして使うための改修工事を行う予定。現時点で工期は未定。春日部駅~八木崎駅区間では既に東武アーバンパークラインの仮線路の敷設工事が行われている。
現在の東武アーバンパークライン7番・8番線ホームには、人気の立ち食いラーメン店「東武らーめん」がある。ゆくゆくは同ホームを含め駅全体が高架化されることから、工事が始まって以来、同店の行方が話題に上ることが多いが、同ホームの機能を移す仮ホームの工事を控え、さらに注目を集めている。
東武鉄道の駅で、立ち食いラーメン店があるのは西新井駅の「西新井らーめん」と同店とのみ。同店は1979 (昭和54)年、春日部駅にテナントとして出店。元々は杉戸高野台にあった飲食店が移転した。
同店は店内でスープを作っている。丸鶏のほか、昆布、かつお節、さばぶし、とびうお、ホタテの貝柱、シイタケや香味野菜などを使う。一番人気のメニューは「ラーメン」(600円)で、「チャーシューメン」(900円)、「塩ラーメン」(600円)と続く。
同店を経営する東武食品サービスの担当者によると、客数は11時から増え始め、昼をピークに閉店までほぼ横ばいで途切れることはなく、1日平均200~300杯は売れるという。
利用客の40代女性は「真冬に寒いホームで暖を求めて食べた時のラーメンは最高だった。始めは違和感があったコロッケラーメンも、今ではクセになっている」と話す。
50代男性は「学生時代の帰宅前、家に帰れば夕食があるのに、ここでラーメンを食べていた。天ぷらラーメンを好んで食べていた。目の前でスープを作る光景を見るのも好きだった。これからも可能な限り、春日部のソウルフードともいえる東武らーめんを続けてほしい」と話す。
東武鉄道の広報担当者は、取材に対し、「東武らーめんの今後については、春日部駅高架化工事の進ちょく状況を踏まえた上で検討していくので、現時点では未定」と回答する。
営業時間は7時45分~21時。