首都圏外郭放水路(通称「地下神殿」=春日部市上金崎)が 東武トップツアーズによる運営開始後、地域活性化の取り組みとして、市民を施設案内ガイドとして積極的に起用している。
首都圏外郭放水路は、中川・倉松川・大落古利根川などの増水した水を江戸川に流し、洪水を防ぐ防災施設。立坑から洪水を取り込み、水の勢いを弱めてスムーズに江戸川へ流す役目の調圧水槽には、1本500トンの巨大柱が59本あり、神殿のように見えることから「地下神殿」と呼ばれている。
防災施設としては日本で初めて、民間である東武トップツアーズが見学会の運営を今年8月に開始。首都圏外郭放水路利活用協議会と連携し、新たな施設の公開、市民に活躍の場を提供するなどの地域活性に向けた取り組みや、施設の観光化に力を入れ、現在「社会実験」として運営している。
地下神殿内を案内する「地下神殿コンシェルジュ」は現在13人、そのうち8月の民間運営開始後に起用された春日部市民のガイドは3人。春日部市在住の布川朋子さんは、10月にガイドデビューしたばかり。「春日部の良さを知ってもらえる仕事がやりたかった。自分が地下神殿に初めて訪れた時とても感動したので、そのような場所をたくさんの人に案内できてうれしい」と話す。
地下神殿は今年に入って4回稼働。直近では10月1日の台風24号が通過した際も、立坑内に水を取り込んだ。
11月17日には、特別見学会を開催。当日の地下神殿内の見学申し込みは締め切ったが、龍Q館展示室、ポンプ室、同時開催の「彩龍の川まつり」は事前申し込み無しで見学できる。