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アナログレコード人気 創業43年の春日部の中古販売店でも若年客増える

天井には創業当初からある丸型のスピーカーがぶら下がる

天井には創業当初からある丸型のスピーカーがぶら下がる

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 11月3日は「レコードの日」――春日部の創業43年の中古CDやレコードを販売する「A-1(エーワン)ミュージック」(春日部市粕壁東1)に最近の動向を聞いた。

レコードを拭く店主の藤井さん(関連画像)

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 「レコードの日」は1957(昭和32)年、日本レコード協会が制定した。同協会によると、アナログレコードの生産実績(数量・金額)は2014(平成26)年からほぼ右肩上がりで、特に2021年からは顕著に増加傾向にある。

 レコードが人気になっている背景はいくつかある。同協会の企画・広報部担当者は「アナログレコード人気は世界的な傾向。日本でも新譜をレコードで出すアーティストもいる。レコードのジャケットはCDと比べると大きく、アート的要素が高いのでコレクションしたりインテリアとして集めたりする人もいる。レコードプレーヤーが比較的手に入りやすい価格で販売されているなど、複合的な要因から若年層にもすそ野が広がり、結果的にレコードの需要が高まっているのでは」と話す。

 かすかべ大通り沿いに店を構える中古CD・レコード販売店「A-1ミュージック」(粕壁東1)でも、最近レコードを購入する若年層が増えている。1981(昭和56)年にオープンした同店。当初はレコードレンタル店として営業し、小山、幸手、熊谷に展開していた。店主の藤井一義さんは「始めは珍しい業態だったが、すぐに大手が参入してきたことから業績があまり振るわなくなり、80年代後半には春日部店のみになった。1990年代にはCDが売れるようになり、店内の3分の2がCDになったときには、もうレコードの時代は終わったと思った」と振り返る。

 在庫のレコードを売り切って店を閉めようかと考えていたが、レコードを必要としなくなった人たちが全国から送ってきたり、持ち込んだりするようになり、逆に在庫が増えた。2000年代に入り、レコードのコレクターが購入するようになり、県外からも客が来るようになったという。

 藤井さんは「当店に来れば珍しいレコードがあるというような口コミがあり、メディアにも取り上げられた」という。最近では里帰りなどで春日部に戻ってきた40~50代の人たちが来店することがある。「当店がまだ営業していることに驚き、世代交代もせずにまだ私が店に立っていることで、さらに驚かれ、懐かしがって話しかけてくれる」とほほ笑む。

 3年ほど前から、レコードを買う人が増えたという。「10枚などまとめて購入していく人もいる。最近は女性やZ世代が買いに来るようになった。子どもの頃に当店に来ていた父親が、小学生の子どもと一緒に来ることもある。子どもの頃に当店に通っていて、今はラッパーになって活躍している人もいてうれしい」と藤井さん。

 同店がある、かすかべ大通り沿いには、DJが通うというヘアサロン「Musica-HAIR ROUNGE(ムジカヘアラウンジ)」(粕壁東1)がある。店主の宗像雄治さんは音楽好きで、美容室でDJイベントを開くこともある。「大宮で働いていた頃から音楽イベントをしていたので、そのつながりから春日部以外のDJの友人などが美容室に来てくれる。DJの多くはA-1に寄ってから当店に来る」と宗像さん。

 「若年層は、レコードジャケットをインテリアにしたり、DJで使ったりする。ビートメーカーはサンプリングに使うなど用途は違うが、レコードを必要な人が増えていると思う。レコードを探すレコードディガーはどの街にどんな店があるかを探していてたどり着く。A-1は長年営業しているので、ファンは増えていると思う」とも。

 藤井さんは「ネット販売もしているが、リアル店では一枚一枚ジャケットを見ながら、好みに合いそうなものを探す楽しさがある。今はスマホで 1曲ずつ購入できる時代。レコードでも曲を飛ばして聴くことはできるが、それはまるで推理小説の結果だけを読むようなもの。たまにはゆっくりアルバムの 1曲目から楽しんでもらえたら」とも。

 営業時間は11時~19時。水曜定休。

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