春日部の「みどりスーパー」(春日部市米島)をはじめ「そこらへんの草」を使った商品を販売する23店が4月11日、「通行手形スタンプラリー」を始めた。
「そこらへんの草天丼」の横に「通行手形スタンプラリー」用紙を設置
同スーパーは、魔夜峰央(まやみねお)さん原作の映画「翔んで埼玉」の「埼玉県人には『そこらへんの草』でも食わせておけ」というせりふにちなみ、「そこらへんの草天ぷら」を2年前から販売。現在コロナ禍で売り上げだけではなく気持ちも落ち込んでいるため、SNSでつながった埼玉県内の店に「そこらへんの草」を使った商品開発・販売を持ち掛け、今月1日、10店が販売を始めた。
「エイプリルフールのフェイクニュースかと思った」などとSNS上で話題を集めたほか、テレビやラジオ番組で取り上げられるなど盛り上がりを見せた。売り上げが好調であることや、同スーパーの河内みどりさんの声掛けなどで販売店が増え、合計23店となっていた。
河内さんは「『草を刈りに来た』と、販売店を巡るお客さんがでてきたことから、そこらへんの草刈りツアーとしてスタンプラリーの紙を作ったら面白いのではと思い立った。スタンプラリーがはやっているし、お客さんも参加店主らも、より楽しめると思った。店主らに何の断りもなく決めて用紙を配ったが、皆、とても面白いと喜んでくれている。すでに3分の1くらいの店を周っている方もいる」と話す。
「通行手形スタンプラリー」は、各販売店を「関所」に見立て、関所で「#そこらへんの草 埼玉県人限定」のシールをもらい通行手形の用紙に貼る。「お金を掛けられないので知り合いが描いてくれたものをコピーしている。シールはカラーコピーし、はさみで切ってセロハンテープで貼っている」と河内さん。
スタンプラリーに参加している市内在住の女性は「初めて行く店もあり、最初はドキドキしたが、どこの店の方もうれしそうに歓迎してくれる。居合わせたほかのお客さんと通行手形の話で盛り上がることもあり、今は通行手形を持って店に入ることにワクワクしている」と話す。
河内さんは「個人店は敷居が高いと感じる方もいらっしゃるが、通行手形により、お互いの距離が縮まっているようでうれしい。このスタンプラリーで、地域の生産者や店、お客さんもコロナ禍で沈みがちな気持ちが葉(ハ)ッピーになれば。各店は感染症対策をしていて、多くの店ではお客さまは途切れることなく来店しているが、皆さん草食系なので、ほとんど混雑することはないうえ、対策して来店いただいているようでありがたい。これからも埼玉魂で万全の対策でお越しいただければ」とも。
「スタンプラリーをコンプリートした方には、名誉埼玉県人の称号を与える。ステッカーをお渡しするので、バイクなどに貼ってもらえたら。『そこらへんの草』は春が一番おいしいため、販売もスタンプラリーも5月末でいったん終了する。『to be continued(続く)』という感じ」と笑顔を見せる。
販売商品、販売時間などは店により異なる。