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樹齢600年のイヌグスがある春日部・碇神社で文化財の防災訓練

消防団によるイヌグスへの放水訓練

消防団によるイヌグスへの放水訓練

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 県指定天然記念物の木、「イヌグス」がある「碇(いかり)神社」(春日部市粕壁東)で1月19日、文化財の防災訓練が行われた。

碇神社のイヌグス

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 1月26日の「文化財防災デー」を前に、春日部市では「碇神社のイヌグス」を対象文化財として防災訓練を行い、消防本部・消防団第一分団・所有者や市民ら合わせて50人ほどが参加した。訓練は、イヌグス付近で出火があったと想定し、119番通報、バケツリレーによる初期消火、ポンプ車からの放水などを行った。

 推定樹齢600年で、現在高さ7メートルの碇神社のイヌグスは、埼玉県内でも珍しい樹木であることから、1955(昭和30)年、県から天然記念物に指定された。古利根川で船による荷物の輸送が盛んに行われていた江戸時代、碇山と呼ばれる丘にあった大きなイヌグスは、付近にあった船着き場の目印になっていたといわれている。

 老木であるため、1979(昭和54)年の台風で折れたり、内部に大きな空洞があったりすることからメンテナンスが必要な状態だ。これまでに、三本の支柱の設置、幹の穴をシリコン樹脂でふさぎ、2017年には敷地の一部の雑木の剪定(せんてい)や保護柵の設置などの整備を行い、新しい枝も生えてきているという。

 現在、草刈りなどの維持管理は、地域住民が主体で行っており、イヌグスの所有者である多田さんは訓練の際、「イヌグスが大切にされていることを所有者として感謝している。今後も連携して守っていきたい」と話していた。

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