春日部駅構内に1月20日、駅高架化工事に伴い閉鎖される現東口改札に向けた春日部駅職員作成の「卒業証書」が掲出された。
1899(明治32)年8月に開設した春日部駅。開設当時は「粕壁駅」だったが1949(昭和24)年に改称した。東口改札と西口改札があり、東武アーバンパークライン(野田線)と東武スカイツリーライン(伊勢崎線)が通る。1面1線ホーム1面と1面2線ホーム2面を持ち、南北それぞれに陸橋がある。1日の平均乗降人員は6万1000人(2022年上期)。
東口改札側周辺では、一昨年2月にコンビニエンスストアやパン店が入居していたテナントビルを撤去して仮駅舎を建設。昨年6月には残るテナントビルも撤去が済み、高架化に伴うさまざまな工事が進んでいる。
仮駅舎は2階建てで、延べ床面積は734.07平方メートル。駅舎のほか、定期券発売所やトイレ、エレベーター、エスカレーターを備え、2月4日から稼働する。現在の東口改札は同日に閉鎖され順次、解体撤去することから、春日部駅職員らが感謝の気持ちを込めた「卒業証書」を作成し、駅構内に6枚掲出した。
「卒業証書」には、「卒業証書 春日部駅東口駅舎殿 あなたは春日部駅東口としての全業務を終了する事を証します 令和五年二月三日 東武鉄道株式会社 春日部駅管区職員一同」と書かれている。
春日部駅長の安生和宏さんは「卒業証書は、春日部駅管区内の駅務係の思いから。祖母が春日部在住だった駅務係は、幼少期から春日部駅を利用していたため、とても愛着があり、駅が祖母との思い出の一コマ。春日部駅を利用しているお客さまも同じ気持ちではないかと思い、記憶に残る駅として長い間頑張ってくれたことに対し、卒業証書を作り見送りたいとの要望があったことから、ぜひ作ろうということで実現させた。この駅を覚えておいてもらい、新しくなる駅にも同じように愛着を持ってもらえたら」と話す。