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越谷の甲冑メーカーがこまと甲冑を融合した新商品 賞も受賞

大越保広さん

大越保広さん

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 伝統工芸江戸甲冑(かっちゅう)メーカー「大越忠(おおごしちゅう)製作所」(越谷市神明町1)が6月5日、新商品「BUSYO goma(ブショウゴマ)」の販売を始める。

【写真】徳川家康の甲冑をイメージしたこま

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 1964(昭和39)年創業の同社はブランド名「忠保(ただやす)」として、五月人形の甲冑を製造している。節句文化の衰退や少子化などから人形を飾る家が減っていることから、社長の大越保広さんは甲冑技術を後世に残すため、技術を使い酒のボトルカバー「ボトルアーマー」、時計など新たな商品を開発している。

 BUSYO gomaは、東京手仕事の商品開発企画として、デザイナーの馬渕晃さんがコンセプトを提案。木製の玩具を製作する「こまむぐ」の小松和人さんがこまを作り、大越忠製作所が甲冑製造で用いる生地や組みひもなどを使い、装飾を施した。

 大越さんは「こまは物事が円滑に回るとか、お金が回るという意味がある。五月人形は厄や災いを払うお守りの意味もあることから、この2つが融合すれば最高の縁起物になると思った」と話す。

 こまは、徳川家康、伊達政宗、真田幸村が着用したとされる甲冑をイメージした3種類。サイズは幅70センチ、高さ80センチ。こまの縁には甲冑の小札(こざね)をイメージしたデザインを施した。大越さんは「武将たちの甲冑をモデルにして、色使いを研究した。こまを回した時に小札がきれいに見えるかも意識した」と話す。同商品は、5月20日に東京都中小企業振興公社理事長賞を受賞した。

 「こまは小さいので飾りやすいと思う。こまや五月人形に込められた意味などを、この商品を通して伝えたい」と大越さん。「開発した後に、創業者の祖母はこまが好きだったと知った。ちょっとした巡り合わせかもしれない」と笑顔を見せる。

 価格は各2万2,000円。

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