暮らす・働く 学ぶ・知る

赤沼の獅子舞がプロジェクト未来遺産に選定 保存会は「後継者増やしたい」

獅子舞は、太夫獅子・中獅子・め獅子の3頭の獅子が笛や太鼓のおはやしに合わせて舞う

獅子舞は、太夫獅子・中獅子・め獅子の3頭の獅子が笛や太鼓のおはやしに合わせて舞う

  • 1

  •  

 春日部市無形文化財の赤沼の獅子舞が12月23日、地域の文化・自然遺産の継承に取り組む市民の活動を登録する「プロジェクト未来遺産2025」に選ばれた。日本ユネスコ協会連盟(渋谷区)が発表した。

【写真】女性獅子舞

[広告]

 2009(平成21)年に始まった「未来遺産運動」。日本の豊かな文化や自然を100年後の子どもたちに伝えていくため、市民による草の根の活動を「プロジェクト未来遺産」として登録することで個人や企業、行政からの理解や協力を得たり、つながりを生みだしたり、全国に運動の輪を広げたりすることを目指す。同連盟はこれまで41都道府県で計92件を登録した。今回は全国から33件の応募があり、5件を選んだ。

 赤沼の獅子舞は、7月と10月に赤沼神社(赤沼)で行う、獅子舞と神楽が共存する伝統芸能。1718(享保3)年に越谷市下間久里から伝えられたといわれる。1960(昭和35)年ごろには担い手不足のためいったん途絶えたが、地域住民の間から復活させたいとの声があり、1989(平成元)年に保存会を結成して完全復活。2019(令和元)年10月に開いた獅子舞では、301年の伝統の中で、初めて女性の舞い手が舞った。

 「赤沼民俗文化財保存会」の赤沼の獅子舞社中の会長・島田定夫さんは「選ばれるとは思っていなかった。大変名誉なこと。現在、小学生の子ども獅子が10人いるが、その上の世代は40代。20代・30代の人たちをはじめとして、後継者となってもらえる人が増えるように魅力を伝えていきたい」と話す。

 新潟県上越市の盲目の女旅芸人「ごぜ」の歴史文化の発信と雁木町家の保全、長野県大鹿村の村の伝統を未来へつなぐ大鹿歌舞伎の保存と継承、島根県大田市の日本遺産・国指定天然記念物「琴ケ浜」鳴砂の保護・保全活動、同市の土江子ども神楽復活プロジェクトも選ばれた。

  • はてなブックマークに追加
エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース