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「春日部から福祉変えたい」 市内在住の障がい者、CFで福祉先進国の視察費募る

左から山口和宏さん、日高滉人さん

左から山口和宏さん、日高滉人さん

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 訪問介護などを通じて障がい者の自立や相談支援などを行うLIFEクリエイト(春日部市上蛭田)の山口和宏社長が、福祉先進国といわれるデンマークでの視察費を募るためクラウドファンディングに挑戦している。

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 春日部生まれの山口さんは18歳の時に交通事故に遭い、胸から下を動かすことができない重度の身体障がい者となった。退院後、自宅で家族の介護を受けていたものの、自分を否定し7年間引きこもっていたという。

 その後一念発起し2009(平成21)年に障がい者の自立支援を目指したNPO法人を設立。訪問介護を受けながら市内で一人暮らしを始め、2013(平成25)年には、仕事として確立しヘルパーなどの人材を確保する必要性を感じ、より社会的に広め、必要としている人にきちんとアプローチするために同社を設立した。

 「市の相談支援センターに関わるなどし、自立支援の視点では15年見てきた。会社も全力でやってきたが仲間やヘルパーが増えるなどの進展があまりなかった」とし、「介護が必要な若い人も多いが、介護の勉強となると対象がほぼ高齢者向け。サービスを受ける側が受け方を知らないことも。そこで『障がい者自立プログラム』を構築したいと思った」という。

 デンマークのノーマリゼーション実践提唱者の下で社会福祉を学んだ千葉忠夫さんと出会い、「デンマークは介護される側も、する側も教育を受けている。デンマークの福祉有識者を招き研修をしたが、考え方が柔軟で、福祉人材の作り方が違うと目の当たりにして感動した。知るにつれ、実際にこの目で見てみたいと思った」。

 電動車いすの自身を含め6人の渡航費や研修費など500万円をクラウドファンディングで集めることにした山口さん。「視察しても即効性は無く、成果を出せるのかプレッシャーを感じることもある。それでも多くの人に知ってほしいし、声を上げられなかった人の力にもなれると感じ、やらなければ後悔すると思い挑戦することにした」と山口さん。

 「福祉のエッセンスを持ち帰り、日本の制度とすり合わせて確立し、生きていることが楽しいという人を増やしたい。春日部、埼玉から福祉を変えていきたい」と意気込む。

 目標金額は500万円。支援額は3,000円~100万円。リターンには金額により、「お礼の手紙」や報告会への招待、デンマーク土産などを用意する。

 デンマークへの渡航は10月の予定。プロジェクト支援は8月6日まで。

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