まちの活性化を目的にしたイベントなどを企画している「まちなかツナガルプロジェクト」が主催となり、春日部市都市計画課、日本工業大学 佐々木研究室・木下研究室の学生や市民らの手で、6月から所有者に会うなど準備に取り組んできた。
当日は、菓子店やハンドドリップコーヒー、富士山をイメージしたコットンキャンディなどを販売したほか、藍染め、伝筆の体験も。銭湯から連想される、瓶の牛乳も、市内の牛乳販売店の骨密度測定に参加した先着200人に進呈。古い張り紙や蛇口、番台に座っての記念撮影など、銭湯内を撮影する参加者の姿も多く見られた。
廃業前に同湯を何度も利用したことがある市内在住の高澤曻さん(76)は、「50年くらい前、この近辺は銀座通りとしてにぎわっていた。近所に子どもやお年寄りも多く、銭湯はコミュニケーションの場だった。今と違い紙のふただったが、瓶の牛乳も飲んでいた」と話し、「時代は変わった」と当時を振り返った。
準備段階から参加していた、同大学の大学院生で台湾出身の頼俊仰(ライシュンコウ)さんは、「日本の銭湯は初めて。銭湯入り口の草木を切ったり、銭湯内を掃除したりと大変だったが、一緒に作業している人たちと話すことができて楽しかった。たくさんの来場者が来たので、大変だったがとてもうれしいし、やったかいがあった」と話す。
当日は子どもから高齢者まで403人(主催者発表)が来場した。