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春日部の洋菓子店「お菓子の家スワン」30周年 子どもの頃の思い守り、菓子作り一筋

店主の石川浩さん

店主の石川浩さん

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 春日部の洋菓子店「お菓子の家スワン」(春日部市藤塚、TEL 048-755-7514)が9月9日で開店30周年を迎えた。

和栗のモンブラン

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 1989(平成元)年9月9日、店主の石川浩さんが38歳の時に開店した洋菓子店。菓子作りを始めて53年になる石川さんの原点は子どもの頃にある。「小学生の時は菓子店の甘納豆。中学校の通学路にパン屋さんがあった。バタークリームが入ったシンプルなロールケーキが、甘くておいしいと思っていた記憶が鮮明に残っている」と石川さんは話す。

 15歳で「ケーキ屋になる」と決め、横浜のケーキ店に見習いで入った。「掃除やお茶入れから学び、袋詰めなどの雑用から始めた。バタークリームを作ることが幸せで、食べてくれる人がどれくらいいるのだろうと考えることや、明け方までスポンジケーキを焼くなどしていた」と振り返る。その後13店で修業し、春日部で店を開いた。

 「開店してから半年間は朝までケーキ作りをする毎日だった。過労によるストレスで心の病気になってしまったこともあったが、家族の支えやさまざまな出会いから『自分の気持ち次第で世の中が変わる』と知り、自分に言い聞かせて変わっていった」と石川さん。

 「人との出会いや、やろうと決めて進めてきたこと、妻の理解があってここまで来られた。昨年からは本やメディアにたくさん取り上げていただき常連の方も喜んでくれてうれしい」とほほを緩ませる。

 メニューは、「子どもの頃の思い出もあり、おいしいいロールケーキ作るために素材にこだわった」という開店当時からある人気メニューの「バニラロール」(1080円)、愛媛の栗をベースにしている「和栗のモンブラン」(470円)、紫芋を使って藤の花の色を表現している「藤のタルト」(460円)などがある。

 「子どもの頃に決めたことは間違っていなかった。この道を選んだことに悔いはない。地元で評価されることがなによりもうれしい。末永くおいしいスイーツを作り続けていきたい」とほほ笑む。

 営業時間は10時~19時30分。月曜定休。

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