チョコレートなどのOEM生産を手掛ける「平塚製菓」(埼玉県草加市)が、東京都小笠原村の母島で生産したカカオで作ったチョコレートの販売を開始する。
1901(明治34)年、京都で和菓子屋として創業した同社。1931(昭和6)年に東京市下谷区でチョコレートの製造を始める。自社ブランド販売やバレンタインデー商品などを手掛けてきたが、2000(平成12)年にOEM生産へ。現在は埼玉県草加市の自社工場でチョコレートやクッキー、ウエハースなどの菓子を製造している。
「3代目の平塚正幸社長が、2003(平成15)年にガーナを訪れカカオの栽培を見た際に『チョコレート屋なのだから、日本で栽培したカカオで作ったチョコレートを食べたい』と思ったことから、『東京カカオプロジェクト』を着想し、プロジェクトがはじまった」と営業部の入江智子さんは話す。
「東京都小笠原諸島でカカオ栽培を始めた。カカオは、高温多湿の熱帯でしか育たない植物。国内栽培は何もかもが手探り状態で、失敗を重ねる日々だったが、カカオという魅力的な果物を自分たちの手で育ててみたい一心で改良と工夫を繰り返した」と振り返る。
「東京を象徴するチョコレートになるように」と、和の伝統柄をモチーフに江戸切子のようなデザインにした。「農園からの一貫生産にこだわった純国産チョコレートで、カカオは果物なんだと思わせるような、マイルドでフルーティな味わい」と入江さん。
小笠原で収穫されたカカオだけを使った限定生産で、2019年の製造分として計2万個販売する。商品は、カカオ分70%の東京産カカオのチョコレート2枚入り「TOKYO CACAO」3,000円(税別)。
9月17日に公式オンラインストアで予約販売を開始しており、11月1日より順次発送する。10月24日~30日には渋谷ヒカリエShinQsのフードステージで期間限定で販売する。