春日部市の北東部、西親野井地区にある「神明貝塚」が11月15日、文化審議会から文部科学大臣に答申され、国史跡に指定される。正式な指定は2020(令和2)年2月の予定。
2009(平成21)年~2016(平成28)年に詳しい調査が行われた「神明貝塚」。作られたのはおよそ3,800年前とされ、ほぼ全体が良好に保存されている。
東西160メートル・南北140メートルに広がり、関東地方の貝塚の中でも大型の貝塚。東京湾最奥にあり、潤沢な内陸資源を活用していたとされ、貝殻や魚などの骨があるだけではなく、住居跡や墓もあり、1965(昭和40)年に2体、2016年に3体の縄文人骨が発見されている。
春日部市文化財保護課長の中野達也さんは「春日部市にも縄文人が身の回りの資源を最大限活用した大型の貝塚のムラが良好に保存されている。海の幸、山の幸、そして植物資源を調和した暮らしは、日本の歴史を語る上で欠かすことのできない遺跡として、国史跡に指定された」と話す。
答申に基づき、官報告示を経て正式に登録される。春日部市の遺跡が国史跡に指定されるのはこれが初めて。
11月24日には、春日部市教育センターの視聴覚ホールで、学識者が神明貝塚の縄文人の食文化と資源利用について講演する「3800年前の縄文人の食文化」というシンポジウムが開かれる。12時15分開場、開催時間は12時45分~16時。