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春日部の中華料理店「けいらく」 親子2代で支え合い50周年

(左から)石川慎也さん、賢さん

(左から)石川慎也さん、賢さん

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 中華料理店「チャイニーズレストラン けいらく」(春日部市粕壁1、TEL 048-752-7069)が3月8日、50周年を迎える。

ギョーザは賢さんが仕上げている

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 1970(昭和45)年に石川賢さんが創業し、現在は親子2代が厨房(ちゅうぼう)に立つ同店。賢さんは「子どもの頃は、母が栽培した野菜を一緒に千葉県から都内に売りに行っていた。築地のラーメン店店主と仲良くなり、高校卒業と同時に働き出した」と振り返る。

 結婚を機に春日部に移り住み、店を開いた。「開店当初はラーメンやかつ丼など、定食がメインで、まちの中華屋という感じだった」と賢さん。1986(昭和61)年に店舗を改装。改装中は春日部駅前で仮店舗を運営しながら都内の中華料理店で修業した。「エビチリやアワビ料理など本格中華料理を勉強したかった」と話す。

 「27歳で独立し、一生懸命だった。お客さんは近所の方が多く、忙しいが楽しかった。お客さんは友だちみたいで、『うまかったよ』と言われるとうれしくなる。50年は過ぎてしまえばあっという間。今は息子に頼り切りで任せているが、体が持つ限り続けて行きたい」と賢さんは話す。

 2代目の慎也さんは「子どもの頃はいつも親が家にいないと感じていた。頑張っているなと思いつつもよく分からなかった。長男だということもあるが自然と料理の道を選んでいた」と振り返る。

 中学生の頃から近所に出前をするなど店を手伝っていた慎也さんは、ファミリーレストランに就職。「当時は郊外型のファミレスに勢いがあったので人気の秘密を知りたかった。洋食を作りながら経営や外食産業のシステムを学んだ」と言う。

 その後、静岡県にある有名ホテルの中華レストランで修業。「ホテルでは、自分の仕事が終わった後に担当以外のポジションを手伝うなどして学んだ。夜は週数回、仕事の後に中華料理のファミレスでバイトをした。ホテルでは、鍋を振らせてもらうまで時間がかかる。鍋を振る技術は回数で磨かれると思うので回数をこなすためにバイトしていた」と言う。

 2006(平成18)年から2代目として店に立ち始めた慎也さん。「父とは、よくけんかをする。自分が学んできて再現したいものが、父のとは違う時がある。でも父はとても働き者で、ここまで育ててもらい感謝している。もうそろそろ楽をしてもらいたいが、頼ってしまっているので自分が頑張りたい」と慎也さんは話す。

 メニューは、慎也さんが「父の作る味を守っていきたい」と言う、賢さんが作る野菜多めのギョーザ(3個、260円)、濃厚肉みそ担々麺(840円)、五目そば(790円)など。1階はテーブル20席、カウンター6席、2階は宴会席20席を備え、本格中華料理のコースや、宴会にも対応する。

 「中華は脂っこいとか、年を取ると食べられないとか言われることもあるが、それを払拭(ふっしょく)したい。中華料理の中には医食同源の考え方がある。これからは食で健康をサポートするようなメニューも出していきたいし、地域の人が集まれるお店にしていきたい」と笑顔を見せる。

 トンポーローや若鶏の黒酢あんかけ、卵スープなど数種類の中華のセットを50周年記念メニュー「ワンコインプレート」として500円で3月8日~14日、期間限定で提供する。

 営業時間は11時~15時、17時~22時。木曜定休。

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