春日部在住のドローンレーサー鈴木匠さん(15)が幕張メッセ(千葉県千葉市)で3月31日に行われた屋内ドローンレース「SUPER DRONE CHAMPIONSHIP」に出場し、優勝した。
鈴木さんが出場したのは、大型レーシングドローンを用い、専用のゴーグルを着用したレーサーが、ゴーグルに映し出された映像を頼りに時速100キロを超える速さの機体を操縦し、1対1で速さを競うレース。
同レースで使ったドローンは、一般的なレーシングのドローンに比べ、1.7倍の機体サイズで高輝度LEDを備え、8人の全選手が同一仕様の機体を用いた。同レースは、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、無観客、生中継無しで行われた。
鈴木さんは現在15歳。10歳までは自転車競技のBMXに出場。11歳でアマチュア無線免許4級を取得し、国内のさまざまなドローンレースに出場し優勝するなど高い戦績を収めていた。2017年(平成29)年には「JAPAN DRONE LEAGUE」の年間ランキング4位に。
個人レースに加え、2018(平成30)年からドローンレースプロチームの「RAIDEN RACING(ライデンレーシング)」に所属し、ドイツ、スペイン、中国などで行われたレースに参戦。チームは世界第4位を獲得していた。
鈴木さんは「日本の屋内のレースで今回のように暗い場所は初めて。外のレースだと景色が変わるが、今回は自分がどこにいるのか分からなくなることもあるなど、難しいコースだった。出場選手全員と戦ったことがあるが、みんないろいろなレースで優勝している。全員がライバルで、最初のバトルからレベルが高く、ゴールの差が僅差だった。レース前は勝てる自信が無かったので、優勝できてとてもうれしかった」と振り返る。
春日部で生まれ育った鈴木さん。「春日部はそんなに都会ではないが、買い物できるところも、生活に必要な場所も全てそろっている。海外に数カ国行ったが、春日部は良いと思えるし気に入っている。ここにずっと住んでいたいと思う」
「春からは高校生だが、今年も色々なレースでどんどん勝ちに行きたい。レースで目指すところは世界だが、最終的には、ドローンを使った仕事をしたい。ドローンで良くないニュースもあると思うが、いろいろなことに役立つもの。災害でも活躍するし、人が行けない場所の点検などもでき、広告でも使えるなど用途がいろいろある。ドローンの良いイメージを広げていけたら」と笑顔を見せる。