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春日部の祭り用品店、店頭で「マスク」を猛プッシュ 祭り中止でやむを得ず

のぼりや札の文字は高橋さんの手書き

のぼりや札の文字は高橋さんの手書き

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 祭り用品やスクール用品を取り扱う「高橋洋品店」(春日部市中央3、TEL 048-752-0053)の店先にマスクの取り扱いを知らせる手書きののぼりや札が多数並び、道行く人の注目を集めている。

2代目店主高橋さん。オリジナルの手拭いも販売する

 同店は昭和30年ごろの創業。創業時は、紳士服、婦人服、子ども服などを取り扱っていた。「先代は祭り好きだった。春日部の夏祭りは戦後一時中断していたが、復活した。そのころから鯉(こい)口シャツや足袋などの祭り用品の販売を始めた。市内のさまざまな祭の日には、先代は手伝いなどで店を開け、母が店番をしていた」と2代目の高橋武男さんは振り返る。

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 衣料品店や百貨店で修業し、店を継いだという高橋さん。「創業当時は店の前の道が砂利道で、八木崎駅に行くまで家が3軒しか無かったと先代から聞いている」と話す。

 現在、店の軒先にはマスクをアピールするために手書きののぼりや札を18枚ほど掲げている。店の前は車の通行量が多い道路。店の前に信号があることから、信号で止まる車の助手席の人などが店の写真を撮る場面を何度も目にしたという。

 「商品アピールのために札を作成してきたが、何枚作ったか数えたことはなかった。初めは2枚を作り、車で通る人にも見えるように店頭の右端と左端に掲出した。不織布マスクの販売を始めた時、小さいサイズのマスクを取り扱い始めた時も作成した。商品や店をアピールしたいがインターネットは使えないし、経費節約のためにずっと手書きでやってきた。こんなに書いていたとは」と高橋さん。「先代も手書きだった。イベントや祭などでの看板などの文字書きも手掛けていた」とも。

 新型コロナウイルス感染症拡大のため学校が休校していた4月はスクール用品が全く売れなかった。「3月から手作りマスク、5月からは不織布のマスクを扱い始めた。5月はマスクしか売れなかった。6月に入り気温が上がってきたのでマスクの需要も減ってきている」と吐露する。

 例年、祭り用品は6月に入れば売れるが、7月に行われる「春日部夏まつり」をはじめ市内外の多くの祭りが中止のため祭り用品も売れない。「6月9日から割り引き販売を始めたため、少しは売れ始めた」と高橋さん。同店がデザインした手拭いや、手拭いで作ったマスクも販売している。

 男性常連客の一人は「気さくに話をしてくれ人情味あふれる店主。ここに来ると祭りの気分になる。まちに残っていてほしい店」と話す。

 売り上げが立たず、経営が困難な実情を知った複数の常連客が、ネットで同店を宣伝しているという。「お客さんに支えられている。例年、市外では栗橋や桶川、大宮、草加などからもお客さんが来てくれる。来てくれるお客さんのためにも、自分たちの生活のためにも何とか店を続けていきたい」と前を向く。

 営業時間は9時~19時30分。