春日部のふじ通りの藤が開花し、見頃を迎え始めた。
藤は、春日部市の花。1973(昭和48)年、旧春日部市制施行20周年を記念し、市の花に制定された。1979(昭和54)年度・1980(55年)度の区画整理事業の一環として、同通りに藤棚を設置。同通りは道路両側の歩道、約1キロメートルにわたり7種類の藤が植えられている。道路管理課担当者は「街路樹として総延長約1キロメートルに及ぶ藤棚は国内で大変珍しい」と話す。
房が短く開花が早いヤマフジ系の白色の「シロカピタン」、紅色の「アカカピタン」、紫色の「ムラサキカピタン」や、房が長く開花が遅いフジ系の、白色の「クチベニフジ」、濃紫色の「コクリュウフジ」、藤色の「ムラサキナガフジ」、白色の「シロナガフジ」の7種。
15日現在、ヤマフジ系の「シロカピタン」「アカカピタン」「ムラサキカピタン」に加え、フジ系の「コクリュウフジ」が見頃を迎えている。来週以降には、ほかのフジ系の花も見頃を迎えるという。
同藤棚は、道路管理課担当職員が40年にわたり管理している。季節ごとに剪定(せんてい)する長さを変えるなど年に4回ほど藤の剪定を行い、花が咲いた後、次年も奇麗な花を咲かせるための「花がら摘み」、冬季には樹形整形など一年を通して管理する。「通常の街路樹と違い、たくさん手入れが必要。5~6月はつるが伸びてくるので、道路にかからないように剪定している」と話す。
市では、藤を育てたい人や、藤で困っていることがある人などに向けた相談窓口を設けている。「市内在住の方が藤を育てていて、育て方についての質問を市にしてきたことがきっかけ」(道路管理課担当者)。
「咲いてから2~3週間は楽しめる。藤の花の甘く上品な香がするのでそちらも楽しんでいただけたら」とも。