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帰省中に被災の春日部のフォトグラファーがチャリティー撮影会 少しでも力に

フォトグラファーの山崎唯さん

フォトグラファーの山崎唯さん

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「能登半島地震チャリティー撮影会」が1月7日から2日間、春日部のフォトスタジオ「yui life photo(ユイライフフォト)」(春日部市牛島)で行われた。

チャリティー撮影会の様子

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  フォトグラファーの山崎唯さんが運営する同スタジオ。山崎さんは石川県能美市で生まれ育ち、大学進学を機に東京へ。結婚してから埼玉へ移り住んだ。2018(平成30)年からフォトグラファーとして活動し、2023年6月から同スタジオを運営している。

 12月31日に家族で山崎さんの実家に帰省したところ、能登半島地震が発生。山崎さんは「特に大きな揺れを複数回感じた。1回目はすぐに収まり、2回目は30秒くらい続く強い揺れで、子どもと犬2匹を抱えてこたつに潜り込んだ。その後も揺れは続き、築30年の家がつぶれるかもしれないと思い、怖かった。とにかく早く止まってと思っていた」と振り返る。

 山崎さんの実家には、棚から物が落ちたり、コップなどが落ちて割れたりするなどの被害があった。「子どもは怖がって1時間くらい机の下から出てこなかった。市内には、半壊の家や地面が陥没しているところがあると聞いた。甚大な被害がある能登は、子どもの頃によく遊びに行った場所。地元に滞在中は昼夜問わずヘリコプターの音がしていた。自分ができることはなく、ただニュースを見ていた」と山崎さん。

 新幹線の運行が再開したため、2日夜には春日部の自宅に戻った。実家に両親を残してきたことが気がかりで、自分にできることがないことももどかしく思っていたという。

 「自分は無力だと感じ、落ち込んでいた。いろいろな意見があるかもしれないが、石川県にいる妹からのアドバイスもあり、自分ができることをやろうとチャリティー撮影会を開くことにした」と山崎さん。

 インスタグラムで参加者を募集したところ、2日間の26枠は即日埋まった。料金は1枠3,000円で、全額を日本赤十字社に寄付する。

 撮影会に参加した田中麻美さんは「震災に対して何かしたいと思っても、どこに募金していいのかも分からなかった。山崎さんの思いに賛同したので申し込んだ」と話す。

 山崎さんは「たくさんの人から心配の声をもらった。『撮影会をきっかけに、募金しようと思った』『少しでも協力できてよかった』などの声もありうれしかった。撮影で皆さんの笑顔を見ることができて励みになった。能登のためにも仕事を頑張ろうと思う」と話す。

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