イトーヨーカドー春日部店の閉店発表から8月26日で1カ月。西口周辺に対する市民の思いを聞いた。
西口では、春日部駅高架化工事作業の出入り口を設けるため、3月31日に閉鎖された春日部駅西口自転車駐車場の解体工事が進んでいる。高架化に関連した飲食店の閉店もある。
同駅から少し離れたエリアでも飲食店や小売店の閉店や、7月26日にはイトーヨーカドー春日部店が今年11月に閉店すると発表されるなど、目に見える変化が続き、関心を寄せる市民も多い。
市内で事業を営む男性は「西口には計画がいろいろあるということは聞いているが、駅からイトーヨーカドーにかけての土地は春日部の一等地。空き店舗が数店あることや、高架化とまちづくりの進捗(しんちょく)の足並みがそろうのか不安がある」と話す。
市内で事業を営む女性は「ある程度の閉店はまちの新陳代謝だと思う。時代が変わり、今まで通りにはいかないものの、ビジネスしたい人がいる土地だと思うので、悲観的な声も聞こえるが、そうでもないのでは」と話す。一方で、「東のロビンソン、西のイトーヨーカドーだったが、どちらもなくなった」という声も聞かれた。
イトーヨーカドーに隣接する駅西口側の線路沿いの約2.6ヘクタールの春日部市中央一丁目では、民間の組合が事業を行う「春日部市中央一丁目地区第一種市街地再開発事業」が計画されている。イトーヨーカドーの旧店舗が入っていた建物も含む。第1街区から第4街区に区割りされた同地区では、高架化と一体となったまちづくりに向けて、地元権利者が主体となり計画作成に向け話し合いを重ねている。
具体的な計画の決定については、同地区内の主要動線となる導入路の位置が決定してから。導入路に関しては、市が発注した業務委託で検討が進められており、2025年3月末までに決定する予定。
同地区内の再開発に推進的な権利者で構成する「世話人会」の村田勸さんは「本年度は仮の導入路を想定して検討を進めていくことになる。導入路決定後に、地区の街区内の道路を決め、街区内にどんな建物を建てられるかの施設計画の内容と、事業の採算性を検討しながら進めていく。
高架化に合わせて、西口の再開発も完成を目指し、数年後には都市計画としての青写真を市民に発表したい。高架化と一体の再開発によって、駅東西が交流している様子や快適に歩いて楽しく過ごす多くの人々が、いろいろな施設を利用している様子を早く見たい」と期待を込める。