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越谷コミュニティーFMラジオ 逆境を乗り越え開局、3周年迎える

ラジオブースに座わる越野操社長

ラジオブースに座わる越野操社長

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 越谷のコミュニティーFM放送局「ハローハッピーこしがやエフエム」が3月27日、開局3周年を迎えた。

ラジオブース内の様子

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 地元のミュージシャンやタレント、市民がパーソナリティーとなり、ニュースやバラエティー番組などを毎日放送している同局。埼玉県では、越谷市をはじめ草加市・八潮市・吉川市・三郷市・松伏町、春日部市や東京都と千葉県の一部、インターネットでも視聴できる。

 越野操社長は、結婚を機に越谷に移り住んで47年。子育ての合間にボランテア活動をしており、 阪神淡路大震災では、4年間ボランティアに通い、大変な状況を多く目の当たりにしたという。「ライフラインが止まった時に、ラジオが一番情報を伝えていた。炊き出しの場所とか、生活情報だった。その時なぜ越谷には無いのかと思った」と振り返る。

 10年ほど前、ひどい風邪を引いたと思い病院に行くと、そのまま検査になり初期の肺がんと診断され、手術をすることになった越野さん。「病院には重症の患者もたくさんいて、かわいそうな人も見てきた。自分が命をもらえたらお役に立たなくてはと思った」とし、「やり残したことが、ラジオだった。災害時の情報の伝達はラジオしか無い」と思い出したという。

 「開局までは長い道のりがあった」と、越野さん。2010年12月に開局準備会を設立。資金集めとコミュニティーFMの重要性知ってもらうためのイベント計画し、市役所に相談に行った時のこと。「災害があった時にはラジオが必要」と話すも、担当者には「今どきラジオは無い。時代に逆行している」と言われた。

 「ちょうどその話をしている時に地震が起きた。それが、3.11だった。みんな驚いて、駐車場に逃げた。その時の担当者は、今では応援してくれている」。見つけるのはかなり難しいと言われていた周波数も見つかり、さまざまな紆余(うよ)曲折を経ながら、5年3カ月という歳月をかけて開局にたどり着いた。

 「何度も何度も『もうだめだ』ということが起こった。自分でも分からないがその都度不思議なことがたくさんあり、道が開けた」と越野さんはほほ笑む。これからの夢は、「災害時にきちんと機能できるように体制を整えて行きたい。細かい情報を伝え、地域活性化にもつなげたい」と展望を語る。

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