
春日部・増田新田農地管理組合が製作した「かかし」が7月6日、田に設置された。
【写真】「おにぎり親子」という設定のかかしと組合代表の関根さん
2019年ごろから、田をスズメやごみ投棄から守るため、10ヘクタールの田に毎年約30~60体のかかしを作って設置している。
今年のテーマは「おにぎり」。組合員や近隣の住民20人ほどが集まり、持ち寄った古着などを使って製作。これまで、かかしのボディーにはビニール袋に新聞紙を丸めて入れたり、稲わらを入れたりして作っていたが、雨にぬれて重たくなることから、今年からは防風ネットにペットボトルを入れて作る。防風ネットもペットボトルも再利用のもの。
今年は4月18日に田植えを行った同エリア。同組合代表の関根正雄さんは「今年は米の生育は早い。6月末にカメムシを見つけた。葉に卵を産みつけているところもあった。穂が出た時、カメムシが食べてしまうと減収になるので、今年は特に手入れに気が抜けない」と話す。
これまで40年ほど米を育てている関根さん。葉物野菜などを育てていたこともあるが、現在は米専業の農家。「私も年だし、あと何年米を作れるか分からない。世の中でいろいろな変化が起こって戸惑うこともあるが、これまで信頼して買ってくれていたお客さまにお礼をする気持ちで、自分たちでできる努力をして田を維持し続けたい」と思いを込める。
例年、かかし製作に参加者している女性は「非農家と農家の接点を持たせるという、組合の趣旨に賛同している。自分の得意なことで参加でき、毎年いろいろなオリジナルデザインを考えている。私のところに『かかしに使って』と古着を持ってくる人もいる。近隣の人ともつながりもできるし、すごくいい取り組みだと思う」と笑顔を見せる。