春日部の中心市街に5月1日、居酒屋「ようすけ(春日部市中央、TEL048-753-1120)」がオープンした。
春日部駅西口近くにオープンした同店。席数は、カウンター席8席、テーブル席8席、テラス席8席。店主の石川陽介さんは杉戸で生まれ育ち、大学時代は春日部市内の飲食店でアルバイトをしていたという。「マニュアルにとらわれず、お客を大切にしている店で楽しかった。その後飲食店を経営する会社に就職した。新卒で入って現場を仕切るなど大変なこともあった」と振り返る。
「飲食店は人付き合いが基本。オープンキッチンなどはコミュニケーションを取りながら反応をダイレクトに感じることができるので好き」と話す。
デイサービスで働いた経験も持つ。「たくさんの人の昔話を聞いた。終末が近い方の話で考えさせられ、『死ぬ間際にはこうなる。自分もやりたいことをやりたい』と感じた」と石川さん。
その後、再度飲食業界に身を置き、調理を一から学んだ。下北沢の鉄板焼き店の店長に抜てきされたが、2年半後閉店した。「運営委託のような形で、厳しい状況からの出発であったものの、経営を立て直せず店を閉めることになり、とても落ち込んだ。挫折を味わった」と話す。
「仕事がなくなり、忙しくてできなかったことに挑戦しようと思った」という石川さんは、釣りが好きだったこともあり、幼稚園のころから好きで図鑑で眺めていたアロワナやピラニアを釣りに、アマゾンに行くことにしたという。「目に映るもの全てが新鮮。毎日漁をする生活の中で、自分が狭い世界にいた、周りの目を気にし過ぎていたと気付き、お金が無いなら作る方法を探せばいいなど、前向きの考え方に変わった」と石川さん。
帰国後、東京の和食店やもつ焼き店で技術や経営を学んだ後、家賃が安く土地勘がある春日部で出店を決意した。「店は満天横丁の入り口。オープンで明るい雰囲気にしたい。店にも一つひとつのメニューにも、自分が経験してきたことが詰まっている。それを楽しんでほしい」と笑顔を見せる。
メニューは、小麦粉を使わず、山芋や卵などを使ったフワフワ食感が特徴という「ふわとん(710円)」、自家製レモン酒で作る「ようすけのレモンサワー(540円)」など。
営業時間は17時~23時。水曜定休。