台風19号の影響により稼働していた首都圏外郭放水路(通称「地下神殿」=春日部市金崎)が10月17日、調圧水槽内の土砂撤去作業を始めた。
大雨や強い風などで大きな爪痕を残した台風19号。中川をはじめとした河川の氾濫を防ぐため、同施設は10月12日18時50分から排水ポンプを稼働させ、増水した水を江戸川へ排出していた。排出した水量は1200万トンとなり、東京ドーム4個分となった。
今回の排出量は2002(平成14)年の部分開通からみて歴代で3番目。1番は2015(平成27)9月に鬼怒川が決壊した、関東・東北豪雨だという。
首都圏外郭放水路管理支所の職員は、「水の入り具合により、4台あるポンプの使用台数を変える。1台で賄えない場合は台数を増やし、今回は3台使用した。江戸川の水位を見ながら、水位が危険になったら排出は止める。今回はそこまでいかなかった」と話す。
川からの流入が終わり、江戸川への排水作業が終了したため、17日撤去作業を開始。調圧水槽内に残る土砂は、水切りモップ、スコップなどを使用して人力で撤去する。「今回は想定よりも土砂があったので、通常だと半日のところ、1日か2日はかかる見込み」とも。
見学会は、調圧水槽はキャットウオーク上からの見学になるなど一部コースを変えて開催している。撤去作業が終わり次第通常の見学コースとなる予定。