春日部市無形文化財「赤沼の獅子舞」が10月20日、赤沼神社(赤沼)で行われ、300年の歴史上初めて女性舞い手が登場した。
「赤沼の獅子舞」は、太夫獅子・中獅子・牝獅子の3頭の獅子が笛や太鼓のおはやしに合わせて舞う伝統芸能で、1718(享保3)年に越谷市下間久里から伝えられたといわれる。獅子舞は7月に豊作祈願、10月に豊作祝いとして年2回行う。
「赤沼の獅子舞保存会」会長の島田定夫さんは「1961(昭和36)年ごろには担い手不足のためいったん途絶えたが、地域で復活させたいとの声があり、途絶える前の舞い手とはやし手が存命だったこと、途絶える前に復活を願い記録音源を残していたことから、1989(平成元)年に保存会を結成して復活した」と話す。
300年の伝統の中で獅子舞を女性の舞い手が舞うのは今回が初めて。「子どものころに子ども獅子を舞っていた子たち。笛や太鼓をやったり、遊びで踊ったりしていた。大人の獅子を踊ってみたいという気持ちがあったことから、誘ったところ踊ることになった。氏子、保存会の方々も時代に合わせて変化していくのも伝承のあり方だと賛成してくれてデビューとなった」と島田さんは話す。
この日、獅子舞を披露した岩井瑞貴さんは「少し緊張したが楽しかったし、終わってほっとした。できればまた出たい。まちが少しでも活気づいたらうれしい。」と笑顔を見せる。