春日部のパン店「天然酵母パン 糀幸(はなさち)」(春日部市大場、TEL048-735-6353)が11月15日に7周年を迎えた。
住宅街の中にある4坪ほどの同店は、店主の池宮城幸子(いけみやぎさちこ)さんの自宅前にある。池宮城さんは「以前クリーニング店だった場所を店舗にした。小さい店だし、最初は誰が来てくれるのかとか心配だった」と振り返る。
子どもの頃から菓子作りが好きだった池宮城さん。栄養士として食品メーカーに勤め、レストランやコンビニエンスストアのメニュー開発などをしていた。「仕事上、加工食品やレトルト食品を食べることが多く、私生活ではオーガニックや自然食が食べたいと思っていた」と言う。
都内のパン店で天然酵母のパンを初めて食べ、パン作りを学び始めた。「クロワッサンが今まで食べたことが無い感じでとてもおいしかった。仕事帰りにそこのパン教室に通い、3~4年ほど学んだ。作っていると無心になれ、次第にパンを作る仕事がしたいと思うようになった」という。
2012(平成24)年に店を開いたが、子育てとの両立だった。「当時は子どもをおんぶしながらの時もあった。前日にこねた生地を2時に起きて常温に戻し、焼いていく。パン作りは大変な時もあるが、単純に楽しいと思える」と池宮城さん。
常時30種のパンが並ぶ。「パンはごまかしが利かない。自分も子どもがいるし、安心やおいしさを一番にしているので、国産小麦や天然酵母を使うなど素材にこだわっている」という商品は、「糀幸パン」(カボチャ・ホウレンソウ・プレーンの3点)(180円)、「チョコクロワッサン」(200円)、自家製のブドウ酵母で作った「くるみいちじく」「ミックスフルーツ」(以上250円)などがある。
「『子どもが市販のパンは食べないが、ここのパンは食べられる』『また食べたくなった』など言っていただけることがありうれしい。お店のシャッターを開けたら花の種と『よかったら植えてください』と書かれた紙が置いてあったこともある。気に掛けてくださる方がいてくれてありがたい。地域に根差したパン屋を目指し、これからも続けていけたら」とほほ笑む。
火曜・木曜・土曜営業。営業時間は11時~(売り切れ次第終了)。