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春日部の資材販売社が簡易型PCR検査テント製作 医療機関に無償提供

開発中のスタンド型PCR検査設備。「暑さ対策が必要」と荒川さん

開発中のスタンド型PCR検査設備。「暑さ対策が必要」と荒川さん

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 建築資材のリース販売を手掛ける「サポートマーケティングサービス」(春日部市粕壁東6、TEL 048-753-4200)が簡易型のPCR検査テントを、ものつくり大学(行田市)客員教授の的場やすしさんと共に製作し、医療機関などに無償提供している。

簡易型のPCR検査テント

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 土木建設における仮設資材のリース販売や、災害時などに使えるカナダ製の水陸両用バギー、キャタピラー式車いす、スタンド式電動三輪バイクなどを販売する同社。

 社長の荒川真一さんは「的場さんと共に消防で使える救助用アイテムを開発していた。新型コロナの感染が拡大してきた4月初旬ごろ、的場さんから『海外にはこんなPCR検査設備があるけどどうか』との相談を受けた。ちょうど会社に野外作業時に使うテントがあったので、それを使って作れると思い、翌日から製作協力を始めた」と振り返る。

 医療従事者が隔離ブース内から腕を出し、検体を採取するウオークスルーやドライブスルー用の簡易型PCR検査テントを開発。埼玉県内をはじめとした医療機関に無償提供している。「埼玉県内ではふじみ野救急クリニックや、川越市、神奈川県内の医療機関、山口県宇部市にも提供している。検査目的ではなく、市役所の受付などでも使われていると聞いている」と荒川さん。

 的場さんが動画で作り方をネット上に公開している。荒川さんは「似たような設備で100万円くらいかかるものもあると聞いたが、5万円から10万円ほどの予算で、ホームセンターで買えるもので作れる。安く作れたら多くの方が感染するのを防ぐことができる。医療関係機関などのチェックは受けてないが、使ってもらって感染拡大が防ぐことができればうれしい」と話す。

 「また作るかもしれない」と思った荒川さんは「勢いで備品やテント10張りを購入した」と笑顔を見せる。現在は夏用のものを開発中。さらに、テント型設備を使っている医療機関から「もっと簡易的にできるものは無いか」という声があり、低コストでスタンド型のPCR検査設備を同社独自に開発している。

 「スタンド型は、本業で使っている細いパイプを使って作っている。実際に現場で使えるかどうかはこれから確認してもらう。暑さ対策も必要。暑さで一定の動作などができなくなるようなことがあってはならない。試作品を見てもらいブラッシュアップしていきたい」と意気込む。

 荒川さんは「東日本大震災で知り合いが亡くなった。当時の現状を見て、無力感を感じ何かできることをやりたいという思いが常にある。コロナも災害だと思う。災害に対しては、自分ができることで向かっていかなくてはならない。今回は支援するチャンスをもらった。値段が高くてできないことではなく、できる範囲でやる、あるものでやってみるのも大切。必要な時に必要なものがあれば検査もできる。今は海外に向けても簡易検査設備の作り方を案内するなど情報提供も行っている。一日も早くこの事態が治まってくれたら」と思いを込める。

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