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埼玉・吉川市のイタリアン、紆余曲折経て10周年 地域に愛される憩いの場に

(左から)河野明菜さん、蓮くん、河野一晃さん

(左から)河野明菜さん、蓮くん、河野一晃さん

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 創作イタリアン店「Food Cafe Legame(フードカフェレガーメ)」(埼玉県吉川市木売2、TEL 048-999-6996)が10周年を迎えた。

いわて山形村短角牛リブロースステーキ

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 2010(平成22)年4月16日にオープンした創作イタリアン店。店主の河野一晃さんは、10年間大手ファストフードチェーン店で勤務している中で、「自分流のおもてなしがしたい。会社の決まりではなく、自分が思うような料理やサービスがしたい」と自分の店を開くことを思い描いた。

 店を開くため、都内のカジュアルレストランでメキシコ料理やイタリアンなどを中心に修業。ピザ、パスタなどや小皿料理と酒を提供するイタリアン店で働いた際、「手頃な価格で一品一品つまみながら、みんなでワイワイ楽しめるお店で良いと思った。自分の理想の形を見つけ、今の店に取り入れた」と振り返る。

 吉川市で店を開いたのは、土地勘があり、人とのつながりが深く、世話になった人々への恩返しがしたい気持ちがあったから。「開店1年目は苦労した。1年経ち、少しずつお客さんが増えたころ東日本大震災が起きた。ただでさえ苦しい中、ほとんど来店客が無く、店を閉めようかと思ったが、従業員やお客さんの協力で乗り越えることができた。徐々にお客さんが増え、2014年8月には300メートルくらい離れた駅前に移転することができた」と話す。

 有機野菜や地場産野菜にこだわり、なるべく地産地消を意識して料理を提供する。看板メニューには「海老のアヒージョ」(660円)、「東北復興支援の目的で使うことを決めた。柔らかい肉質でミルキー、牛独特の味わいがある」という「いわて山形村短角牛」を使う、「いわて山形村短角牛リブロースステーキ」(5500円)、「渡り蟹のトマトクリーム」(1540円)がある。オリジナルカクテルも提供し、カクテルや洋酒を合わせると100種ほどをそろえる。

 新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、4月8日から5月6日までは休業していた。現在は店内飲食とテークアウト、デリバリーも行う。「パーティールームは3月からお客さんが入らず、キャンセル数は50件ほどあった。人数にすると300人ほどになる。店を閉めることも考えたが、従業員の協力やお客さんの『また行くよ』との声でもう一度頑張ろうと思った。いろいろな思いがある。簡単に閉めるわけにいかない。こんな中でも頑張ろうと思った」と河野さん。

 「この10年、震災もあり、新型コロナもあり紆余(うよ)曲折。お客さんに支えてもらい、感謝している。毎年周年でフェアやパーティーをしていたが、今年はできない。来年10周年のパーティーができたらと思う。これからも地域に愛される店づくりや、飲食店を通して憩いの場にしていきたい」と笑顔を見せる。

 感染症防止対策として、テーブル席40席、カウンター7席のところ、テーブル席30席、カウンター5席で営業。従業員の検温やマスク着用、入り口にアルコールなどの消毒液を設置。椅子、テーブルの消毒、入り口を網戸にし、常に換気をしている。

 営業時間は11時30分~15時、17時~24時(酒類の提供は22時まで)。火曜、第2水曜定休。

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