春日部市は、水害を想定したコロナ禍における避難所開設・運営訓練を7月16日、旧富多小学校体育館(春日部市神間)で行った。
市ではコロナ禍での避難所対策として、7月3日にNPO法人「ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク」と災害時協定を結び、プライバシー確保や飛まつ拡散防止、3密回避につながる紙の間仕切りシステムを560ユニット購入するなど、備えを進めている。
新型コロナウイルスが収束しない中での避難所開設は、感染症対策を行う必要があるため、避難所の開設準備および初期運営を行う職員の対応力強化を図る実動訓練を初めて実施。訓練は7月13日から16日までの4日間、全12回にわたり行い、のべ200人以上の職員が参加した。
防災対策課担当者は「市内に避難勧告を発令した昨年の台風19号の際は、深夜24時に職員を参集し、避難所を開設するまで時間がかかった。その教訓を生かさなければならない。さらにコロナ禍での避難所は、感染症対策をしなければならない。マスクやフェースシールド、ゴム手袋をはじめ、間仕切りシステムなどを実際に使う実動訓練で体験してイメージをしてもらうのが大切だと思い実施した」と話す。
受付や検温所での非接触型体温チェッカーを使った検温、健康チェックリストによる健康状態の確認など避難者受け入れ方法の確認や、体調不良者と一般避難者の導線を分けたルートを確認。紙管を使用した間仕切りシステムの設営もした。参加職員はメモを取るなど真剣に説明を聞き、避難者役と避難所担当者役に分かれた訓練も行った。
「災害時には、このような避難所だけではなく、自宅や車中などで避難する方もいらっしゃると思うが、いざ避難所に来た場合は、市では感染症対策を強化した避難所運営ができることを知っていただければ。併せて避難所に来る際には、感染予防のため、筆記用具や体温計、マスク、消毒液など、持参できるものは持ってきていただけると自衛にもなると思う」とも。