春日部市立江戸川小中学校(春日部市上吉妻1)で10月6日、水産資源の大切さと食や海の問題について学ぶ「陸上養殖体験プロジェクト」が始まった。
同プロジェクトは、魚を育てるなどの「いのちの授業」を通じて海や海の生命について子どもたちに考えてもらい、海を未来へ引き継ぐ行動のきっかけ作りが目的。日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として2018(平成30)年5月から始まり、カリキュラム監修や水槽考案は、NPO法人日本養殖振興会が行っている。
これまで東京都をはじめ富山県や長崎県など1都5県13校が参加し、ヒラメやクエなどを育ててきた。子どもたちは半年間魚を育て、成長過程などを記録。プロジェクトの最後には、育てた魚を食べるのかどうするのかを自分たちで話し合って決める。
江戸川小中学校5年A組は7月から、同NPOの協力を得てヒラメを飼うための水槽や小石などを準備し、ヒラメの生態なども調べた。6日にヒラメの受け入れ式が行われ、小林学校長から1人1匹ずつ7~8センチのヒラメ14匹を受け取り、ろ過装置などを備えた、海と同じような状況を保つことができる専用の水槽に入れていった。
小林校長は「今年はできないことも多いが、皆で一緒に何か取り組めないかと思っていたところ、声を掛けていただいた。県内初の取り組みとなる。ヒラメを育てることを通じてたくさんのことを学ぶと思う。皆で協力して育てて、知恵を絞り結論を出してほしい」と話す。その後、同NPO 代表理事の齊藤浩一さんから養殖に関するエサやりや掃除のやり方、養殖日誌の書き方などを学んだ。
金子蓮君は「ヒラメはテレビで見たことがあるが、実際に見たのは初めて。こんなにかわいいのかと思った。大きいもので3~40センチになる。エサやりなどをするのが楽しみ。最終的にどうするのかは、友だちの中には食べるのではないかと言っている人がいるが、まだ分からない」と話す。