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埼玉・杉戸町の米菓店「青木煎餅」3周年 コロナ禍で新フレーバー開発に注力

店主の青木稔さん

店主の青木稔さん

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 米菓店「青木煎餅」(北葛飾郡杉戸町鷲巣、TEL 0480-38-2212)が4月1日、オープン3周年を迎えた。

一口サイズのおかき「カレー味」

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 杉戸町産のもち米を中心に使い、16種類のおかきを販売する同店。青木稔さんが社長を務める。酪農家として2代続いてきた青木家。周辺に多かった酪農家が減っていく中、2016(平成28年)まで続けていた。青木さんは「酪農は広い土地で行うのはいいが、臭いやウシの鳴き声などがあり、続かないだろうと父親が判断した」と振り返る。

 長男だった青木さんは、農業の専門学校で酪農を学んだものの、父親の判断で、酪農を営む中でつながりがあった東京の米菓店に修業に行くことになったという。「自分が二十歳の時だった。米菓店は、高齢の方が煎餅を焼いているイメージがあったが、若い方も多く、働きやすかった。年末の餅つきとは違う、新しい感じがした。物を作るのが好きだから楽しかった」と青木さん。

 「最初の1年間は、もち米を蒸す準備の手伝いをし、2年目から餅を丸める作業や、揚げる作業をした。修業先からは、『10年修業すれば大丈夫』と言われていたが、実家が酪農を続けていたことや、その店で工場長を務めていたこともあり修業は23年間におよんだ。その後自宅敷地の一角に出店した」とも。

 オープン1年目はイベントに出店し試食販売に力を入れたという。「当店は、周辺が住宅地であり、自宅の一角にある。お客さんは来てくれないと思っていた。今では直接買いに来てくれる人もいるし、道の駅『アグリパークゆめすぎと』をはじめ複数の店に卸し、通販もしている」と青木さん。

 おかき作りは、餅生地を冷蔵庫で2日間ほど冷やして固めた後切り、2~3週間ほど乾燥機で乾燥させた物を米油で揚げる。全ての工程を青木さんと青木さんの父母など家族で行っている。青木さんは「単純な食べ物だから嘘がつけない。原材料の粒のそろったもち米や、生地の厚みにこだわっている。乾燥させるときはその日の湿度によって調整して行う」と話す。

 「コロナ禍でイベントが無くなったため、辞めていたツイッターを再開し情報発信や、新しい味の商品開発に力を入れた」とも。「ツイッターを見ている人が買いに来てくれるようになった。作っている動画をアップすると、『見ています』と言われることもあり、すごくうれしい」と笑顔を見せる。

 人気商品は、大振りサイズの商品といい、「揚げおかきしょうゆ味」「揚げおかき青のり」(以上、160グラム=350円)などが売れ筋という。「おつまみのようなイメージ。一口でパクッと食べられるようにした」(青木さん)という、コロナ禍に開発した一口サイズ商品は、「梅ぼし味」「カレー味」「ゆずこしょう味」「うま塩味」「しあわせ味」「ケイジャン味」(以上、80グラム=250円)などをそろえる。

 青木さんは「3年間はあっという間。毎日作業などがあるが、楽しい。独立して、自分で作り、味付けなどもしているので『おいしい』と言われるとすごくうれしい。最近揚げ油を米油に変えた。より体に優しい商品になったので、味わっていただけたら」と話す。

 営業時間は9時~19時。

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