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春日部のラーメン店に「うどん自販機」 昭和49年製造の自販機を再生利用

店主の伊勢英忠さんとうどん自動販売機

店主の伊勢英忠さんとうどん自動販売機

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 春日部のラーメン店「豚が如く」(春日部市中央1)の店内に6月13日、うどんの自動販売機が登場した。

自販機内部。螺旋(らせん)状のところに容器をセットする

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 2017(平成29)年12月15日にコワーキングスペースとして開業。店の経営状態がひっ迫していたことから打開策を模索。知人の提案で、新たな収入を得るためにラーメンの提供を始めるか撤退するかの二択を迫られ、2019年12月、二郎インスパイア系ラーメンの提供を始めた。

 店主の伊勢英忠さんは18歳で秋田県から上京し、結婚を機に春日部に移り住んだ。伊勢さんは「5~6歳のころ、遊興施設の休憩所にあったうどん自販機で、うどんを買って食べていた。天ぷらが載っていておいしかった。その味と独特の自販機の雰囲気が忘れられず、思い出として強く残っていた。いつかこの自販機が欲しいと、ずっと思っていた」と振り返る。

 伊勢さんは「2016年ごろ、秋田県の商店にうどん自販機があるが、閉店するために自販機を譲るというニュースを見た。欲しかったので連絡したものの、他の人の手に渡った。それをきっかけに、より真剣に探し始めた」と話す。

 2018(平成30)年ごろ、越谷市内の1981(昭和56)年に廃業した商店に置いてあるとの情報を知人から得た伊勢さん。「秋田県で有名になった自販機とは違うメーカーの自販機。オーナーに3回くらい会いに行き、その後、オーナーから引き継いだ男性に迷惑かなと思うくらい手紙を送り、2年越しで譲り受けることができた」という。所有者だった河尻正夫さんは「ほかにも欲しいという人がいたが、伊勢さんがたくさん手紙をくれていたので、伊勢さんに譲ることに決めた」と話す。

 ついに手に入れたものの自販機は動かなかったという。伊勢さんは「昭和49年製造の自販機。既にメーカー製造が終わっているため、友人や自販機の修理業者に修理してもらい、1カ月くらい掛けてやっと直った。内部は1日かけて掃除した」と話す。

 自販機の仕組みは、あらかじめ店側が麺とネギなどの薬味を容器に入れ、自販機内にセット。200円を入れると容器にお湯が入り、湯切りされ、その後、だしとお湯が入り完成。料金を入れてから27秒ででき上がる。「価格は400円にしたが、自販機の価格は変更できず200円でないと稼働しないため、残りの200円は直接渡してほしい。トッピングで生卵50円もある」とも。

 うどんのだしは、サバのだしを使う。自販機は、だしや麺を変えるなどカスタマイズできるため、今後は全国のうどんが食べられるようなイベントを予定しているという。

 「昨年からコロナ禍で苦しい日々が続いている。ラーメンを食べに来てくれるお客さんもいるが、協力金で何とかしのいでいる状態。このうどんだけを食べに来ていただいても構わない。この自販機をきっかけに新しいお客さんが来てくれたら」と期待を込める。

 営業時間は、11時30分~14時、18時~21時。木曜定休。

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