アパレルの企画製造を手掛ける「KEYVA(キーバ)」(春日部市南2)が11月17日、コオロギ粉を使う焼き菓子をオンラインで発売する。
春日部で生まれ育った永井勝政さんがレディースアパレルの企画製造会社として2019(平成31)年4月に春日部で創業した同社。子どもの頃からものづくりが好きだった永井さんは、作ることに専念できる仕事としてパタンナーを選び、ファッションの専門学校に通った。
在学中にファッションテノロジーを学ぶためイギリスに3年間留学。パタンナーのインターンとしてイギリスの会社で1年半働いた。専門学校卒業後は、パタンナーとして服飾会社に就職。転職し、ファッションの生産管理や営業企画なども学んだ。
「ずっと地元で仕事がしたい」と思っていた永井さんは地元春日部で独立。会社を運営していく中で、大量生産、大量破棄される商品に疑問を抱いた。「無駄をなくしたいと思い、小ロットで受注・発注するようにしているが、環境に優しい事業展開もしていきたいと思っていた」と永井さん。
以前企業で働いていた時は、ミャンマー、ベトナム、インドネシアなどへの出張が多く、出張先の食堂で昆虫食をよく目にしていたという。「6年ほど前に、昆虫食が食を救うというテレビ番組を見たこともあり、昆虫食がずっと頭の中にあった」と振り返る。
今年1月、コオロギ粉を使ったチョコレートやプロテインバーなどの販売をしている知人と会った。永井さんは「話を聞いてみて、コオロギの栄養価が非常に高いということと、環境に優しいので社会貢献できると思い、コオロギ粉を使う商品の販売を自分でもやってみたいと思った」と話す。
もともと料理好きだったことから、コオロギ粉を入れたパウンドケーキを自身で何度も試作。最終的に、知人が運営する千葉県流山市の「小倉ベーカリー」に監修してもらい商品が完成した。コオロギを粉末にした粉を入れた焼き菓子、「焦がしバターの栗クリ パウンドケーキ」(2,480円)や「職人厳選 濃厚 クリケットガトーショコラ」(2,480円)、「厳選素材 クリケットバタール」(3本1,470円)などがある。
永井さんは「コオロギは単品で食べると、エビっぽくナッツのような味がする。商品の作り方の工程を工夫して、コオロギの香ばしい味を生かした。パウンドケーキは常温でそのまま、ガトーショコラは濃厚な味なので少し冷やして食べるのがお勧め」と話す。「タンパク質、オメガ6、オメガ3などの栄養素が高いので健康志向の方にも良いと思う。環境のためにもコオロギ食を広めていきたい。ゆくゆくは地元に店舗を構えたい」とも。
オンラインショップ「KEYVA」で予約販売する。配送は12月1日以降の予定。