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埼玉・杉戸町の愛犬家が「イエローリボン犬」啓発 保護犬引き取りきっかけに

リードに黄色いリボンを付けている「まるこ」

リードに黄色いリボンを付けている「まるこ」

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 杉戸町在住の愛犬家が発足したボランティア団体「みんなのイエロードッグプロジェクト」が行う啓発活動の輪が全国に広がっている。

背中には「近づかないでね」の缶バッジも

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 犬が苦手、犬に強くほえてしまう、病気を患っている、怖がり、人間が苦手、などのさまざま理由で散歩が難しい犬のために海外で生まれた「イエロードッグプロジェクト」。怖がってパニックのような状態になることや、発作を起こして倒れてしまうこともあるため、黄色いリボン・バンダナを付けた犬には、犬を近付けず、距離を保ってほしいと周知する活動を行う。

 「みんなのイエロードッグプロジェクト」は、代表を務める染川美智子さんが今年1月に保護犬「まるこ」を迎えたことが発端で発足した。染川さんは「飼い始めてすぐ、まるこが急に倒れることがあった。犬に出合い発作を起こしてしまうなどで散歩が大変だった。まるこは外でしかトイレができないのでどうしても散歩しなければならず、絶望を感じた。SNSでそのことを発信したところ、『イエロードッグプロジェクト』というものがあるとフォロワーに教えてもらった。ほかにも同じような犬がいることを知りほっとした」と振り返る。

 獣医師からは「まるこが倒れた原因は、てんかん発作か、心臓発作を起こした可能性があると言われ驚いた」と染川さん。今では散歩している犬が少ない時間を狙い、黄色いリボンをリードに付けて散歩をしている。

 イエローリボンを付けた犬がいることを周知するため、染川さんは啓発のチラシを制作。近隣に配布したり、SNSで発信したりしていたところ、手伝ってくれる人が集まり、10月に同団体を発足した。近隣のみならず川口市、久喜市、千葉県、東京都、神奈川県、三重県、鹿児島県などの店や個人宅で掲示されるなど、活動の輪が広がっている。

 染川さんは「散歩時にはほかの犬から逃げなくてはいけないので、飼い主とコミュケーションが取れない。犬が倒れるところを見るとショックを受ける人もいると思うので、地域の人に知ってもらい協力してもらわないと散歩することも難しい」と胸中を明かす。以前、散歩中にほかの飼い主から「うちの犬は、犬が苦手なの」と相談されたことが強く印象に残っているという。「その方はとてもつらそうだった。地域にもそのような方がいるし、ネットを使わない世代にも伝えたいという思いもあり地域での活動に力を入れている」とも。

 「イエローリボン犬を飼っている家庭は、散歩が大変だと思う。まるこについて話すことでイエローリボン犬が社会に周知され、受け入れられたらうれしい。ほえる犬にも理由があり、安心すると落ち着くこともある。まるこも飼い始めてすぐの時は夜中も鳴いていたが、今は慣れておとなしくなった。そのような犬が駄目な犬ではなく、とてもかわいい子たちだと分かってもらえたら」と笑顔を見せる。

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