春日部市立桜川小学校(大衾)の児童が開発したメニューが4月9日、自然食カフェ「camecame 30(かめかめさんまる)」(大枝)に集まった関係者に提供された。
メニューを開発したのは特別支援学級の児童ら。同カフェのシェフで上野剛さんを講師に迎え、昨年9月から生活単元学習の一環として食育の授業を4回にわたり行った。授業では野菜の育成方法のほか、味付けされていない状態の野菜を食べたり調味料を味見したりすることで味覚について学んだり、焼く・煮る・揚げるなどの調理法やメニューの立て方も学んだりした。
同校教員の鈴木彩香さんは「開発では、メニューを自由に考えてよかったこともあり、児童は授業の全てを通して楽しそうにしていた。以前よりも食べ物に対して興味を持つようになった」と話す。
当初は、児童が開発したメニューを同店が調理し来店客へ実際に提供する予定だったが、コロナ禍を受け、児童ら関係者のみに提供した。
開発したメニューのカテゴリーは、スパイス、パン、丼、ラーメン、すし、肉、スイーツの7つ。当日は、「やきねぎをのせたいろいろ野菜のスパイスグラドリ」「LOVEトースト」「そこらへんの草風ピザ丼」「スペシャルしょうゆらーめん たこやき付き」「そこらへんの草寿司(ずし)」「サイコロステーキ入り ハンバーグとチキンのガーリック焼き」「ホイホイたこ焼き」が提供された。
上野さんは「食育を学んで終わりではなく、これからにも生かせるように児童が自分で感じ、考えられるようになるプロセスを工夫した。食にまつわる一連の流れに触れ、メニューの金額も自分たちで考えてもらい、売り手の気持ちにもなってもらった。立場の片方だけに寄ったり断片的なことだけを学んだりせず、食や社会のしくみが分かれば、いろいろなことを自分で考えられるようになるのではないか」と話す。
鈴木さんは「児童は、自分や友人が考えたメニューが実際に提供され感動していた。世界一おいしいと言っている児童もいた。またこの授業を行うことができたら」と笑顔を見せる。