ラーメン店「おなかの友達 萬来」(春日部市中央1、TEL 048-754-4747)が4月15日、50周年を迎える。
後藤達人さんが1973(昭和48)年に創業した、みそラーメンやしょうゆラーメン、ギョーザなどを提供するラーメン店。達人さんは「私が22歳の時、サラリーマンだった父の会社が倒産した。親の負担を減らすために大学を退学し、近くのラーメン店に自分を使ってほしいと飛び込んだ」と振り返る。達人さんは従業員として働いたのち後、伯父から援助を受けて、春日部に店を開いた。
開業前に従業員と店のキャッチフレーズを考えた。一人一人が紙に書き、投票制にしたところ「おなかの友達」に決定したという。達人さんは「開店当時、店は現在の半分の広さだった。周辺にはイトーヨーカドー以外ほとんど何もなく、店を開けたらすぐにお客さんが来店し、毎日混雑していた」と振り返る。
開業の翌年に法人化、1976(昭和51)年には「バンライ製麺所」(増富)も開業した。達人さんは「店舗数が増え、一時は姉妹店が12店あり、自分で製麺もしたほうが味も安定すると考えた。徐々に麺の卸も始めた」と話す。
店の看板メニュー「みそラーメン」には、北海道産のみそにフルーツなどを入れたベースを使う。スープは豚骨や鶏ガラなどを使う。中華鍋でもやしを炒め、スープを入れてみそを溶き、沸騰したら、麺が入った丼にスープ、もやしの順に入れる。2代目の後藤亜光さんは「1食ずつ鍋を振って作っている。炒めることでさまざまなうまみが出る」と話す。
メニューは「みそラーメン」(770円)、「しょうゆラーメン」(616円)、「しおラーメン」(660円)、「チャーハン」(726円)、「ギョーザ」(6個363円)のほか、日替わりで「みそラーメン」「タンメン」「野菜ラーメン」のいずれかに、ご飯とギョーザ2個が付く「日替わりセット」(770円)もある。
亜光さんは「コロナ禍は厳しかった。年配の常連さんの来店は激減し、昼飲みすることもできない時もあるなど、かなり苦しかった。テイクアウトに力を入れていたが、苦しい期間が長かった」と言う。
「今後も先代の味を守り、常連さんが守ってくれた店を続けていきたい。急がず、確実に会社も大きくしていけたら。自社の畑も始めたのでゆくゆくは店でも自家栽培の野菜を使うなど、さらにこだわって、愛される店にしていきたい」と力を込める。
営業時間は11時~22時30分。