有機農家「遊佐農場」(越谷市宮本町5)が、越谷市産小麦粉100%で作ったうどん「越谷黒うどん」を8月6日から販売する。
種を自ら採取して無農薬栽培で野菜を栽培し、地元の人に買ってもらう循環型農業で、地産地消100%を目指す同農場。遊佐謙司さんは「市内で農家を長く営む人に聞くと、昔は米と小麦の二毛作が当たり前だったが、最近では米のみの農家が多い」と話す。
小川町で農業を修業した遊佐さん。「小川町は有機農業が盛ん。野菜だけではなく、小麦やライ麦など保存できるものを栽培している農場で修業した。自分も越谷でもやってみたいと思っていた」と言う。
小麦栽培は4年前から準備し、昨年栽培を始めた。「栽培開始2年目の今年にようやく成功した。昨年は、栽培はできたが、無農薬栽培のため雑草がたくさん生え、収穫がうまくできないなどの要因で失敗した。目の前に小麦が生えていたのに、翌年分の種を取るのみで断念し、悔しい思いをした」と話す。
「小麦は10センチほどになる前に踏むと、強く育つため、麦踏みを行う。踏みつけないとヒョロッとしたものができる。3月に麦踏みイベントを2回行い、市内外から60人ほどの親子が参加してくれた。6月には麦を刈るイベントも行った」と言い、「越谷での麦栽培を定着させたい。自分がノウハウを知り、次の世代に伝承していけたら」とも。
「越谷黒うどん」極細麺・細麺・太麺(同250グラム、450円)は、「うっすらグレー色。栄養価が高いといわれている小麦の表皮、ふすまを多く使った。栃木県にある無農薬栽培の小麦しか製麺しない『黒澤製麺所』に頼んだら『黒うどん』と命名してくれた」。
毎週火曜11時~17時に「はかり屋」(越ヶ谷本町8)と、毎週金曜11時~17時(8月・9月のみ)と毎週土曜11時~14時に「WAnest(ワネスト)」(蒲生茜町)でそれぞれ販売する。「来年はもっとうどんを作りたい。大麦もまいて麦茶を作りたいと思っている。ゆくゆくは越谷産クラフトビールを造りたい」と意気込む。