「第6回全国高等学校ビブリオバトル」の決勝大会がよみうり大手町ホール(東京都千代田区大手町1)で1月26日行われ、埼玉県立春日部女子高等学校1年の印南舞さんが優勝した。主催は活字文化推進会議。
決勝大会授賞式の様子 (左から)丸山正樹さん、印南舞さん、ゲストの辻村深月さん
昨年7月から各都道府県で地方予選が行われていた同大会。10月26日に行われた埼玉県予選では、32校から32人が出場し、印南さんが優勝。決勝大会では、地方予選を勝ち抜いた51校52人のバトラーが出場した。
印南さんが紹介した本は、「デフ・ヴォイス」(丸山正樹著)。「1年前にこの本に出会った。ここまで感情が揺さぶられ、自分でも表現できないような思いになる本は初めてで衝撃的だった。読み終わると自然に涙がこぼれた。ビブリオバトルの予選に出ると決まった時に、この本しかない。たくさんの人にこの本を知ってもらいたいと思った」と振り返る。
「障がいをテーマにした作品だが、皆が平等で共通しているという視点で書かれている。主人公の両親は耳が聞こえないが、主人公は耳が聞こえるので葛藤して生きている。皆悩みやコンプレックスを持っているので、共感できるのではと思った。誰かを真剣に思い、真剣に向き合うという、生きていく上で大切なことが詰まっている」と印南さん。
大会当日は、著者の丸山正樹さんも観覧に来ていた。印南さんは「埼玉予選の後に丸山さんと直接お会いする機会があった。祝福の言葉と激励を頂き感無量だった。文章には人が表れると思っているので、すてきな方だと思っていたが、実際にお会いしたら思っていた以上にすてきな方だった」と笑顔を見せる。
「この大会をきっかけに本のデザイナーという仕事があると知り、その仕事がしたいと思った。これからも本をたくさん読んでいきたい」とも。