春日部市「庄和大凧(たこ)文化保存会」上若組が「がんばろう 日本」と書いた60個のミニチュアだこを制作し、市内の医療機関や保健所、飲食店などに届けた。
江戸時代から始まった伝統行事「春日部大凧あげ祭り」。「庄和大凧文化保存会」は、5月3日・5日の「令和2年春日部大凧あげ祭り」に向け、上若組が大だこに「五輪」、下若組が「東京」の文字書きをするなど準備を進めていたが、新型コロナウイルス感染拡大により中止となった。
上若組元組長の伊藤正一さんは「祭りが中止になり、メンバーから何か作って配ろうかとアイデアが出た。配布先は、医療機関や自粛で苦しんでいる地元の飲食店に配ろうと決めた。頑張っているところにエールを送りたいと、気持ちで動いていた」と話す。
5月4日にアイデアが出て、5日、6日で30個。9日、10日で30個の「がんばろう 日本」と書いたA4サイズのミニチュアだこを制作。「制作時は小人数で、密にならないように場所を分けて制作した」と伊藤さん。
道の駅「庄和」、東武鉄道春日部駅や飲食店、医院など同組の地元には会員が手分けして配布。市観光振興課にも手渡し、感染症指定医療機関である春日部市立医療センターには10個、春日部中央総合病院、秀和総合病院などの病院、春日部保健所、5月1日に開設した発熱外来、環境センター、消防本部警防課・救急隊などにも配布した。
配布先の1つ、お好み焼き店「広島流お好み焼き 七夜(ななや)」(春日部市牛島)の店主浦尾康平さんは「毎年祭で『大凧焼き』を販売している。祭が無くなり非常に悲しかったが、これまで当たり前にできていたことが大切なことだと実感した。感謝して日々頑張りたい。このミニチュアだこでエネルギーをもらった。このようなサポートがとても心強く感じ、力を合わせて頑張れることが励みになる」と話す。
伊藤さんは「早く終息して皆が元気になり、来年の『春日部大凧あげ祭り』には、また皆で力を合わせてたこを揚げられたら」と期待を込める。