「妙見山 上原寺(みょうけんざん じょうげんじ)」(北葛飾郡杉戸町)の副住職、仁部前誠(ニベゼンジョウ)さんと弟の前叶(ゼンキョウ)さんが1月1日・2日、音声コンテンツ配信アプリ「Radiotalk」で「オンライン初詣」をライブ配信する。
「midnight temple radio(お寺ジオ)」タイトル画面
安政年間中に上原ます女(にょ)が一宇(いちう)を建立し、妙見庵(みょうけんあん)と名付けたことに始まり、1885(明治18)年に妙見山上原寺と公称した寺。本堂と客殿、庫裡(くり)がある。
前誠さんと、前叶さんは、5月23日から同アプリ内で「midnight temple radio(お寺ジオ)」の配信を始めた。配信のきっかけは、緊急事態宣言の発出で生活が変わったこと。前誠さんは「寺での務めのほか、宗門行政の職に就いているが、多くの会議がリモートになったことなど慣れないことに対する疲れのようなものがあり、さらに時間もできたことから何かを発信したいと思った」と振り返る。
初めはユーチューブで動画配信を考えたが編集の手間などもあることから、ラジオなど音声配信を考えた。「普段から説法のようにお話をすることも多い。お経や鐘などの鳴り物も多く、お寺は聴覚で成り立っていることも多いので、配信を始めてからラジオのような音声配信との相性が良いと思った」と言う。
番組は、「耳からご縁を結ぶ寺」をコンセプトとし、オンライン上の駆け込み寺という位置付け。リスナーからの便りに応えたり、寺の季節ごとの行事などについて話したりする。企画発案や進行役は兄の前誠さん、解説などは前叶さんが担当することが多い。収録は不定期で、2人のスケジュールが合う平日に行い配信、毎週土曜にはライブ配信も行う。
これまでリスナーからの反響が大きかったのは、お経のみを配信した回、良縁や運について、幽霊についての回だという。前叶さんは「一般の方だけではなく同業の方が聞いていることもあるので、分かりやすく面白くだけではなく、本質から外れることがないように、崩し過ぎないように意識している。私たちが楽しく配信することが継続の種にもなっている。私たちが楽しくやっていないと、皆さんにも伝わってしまう」とも。
「オンライン初詣」では、年中安泰のお経を上げたり、御祈願をしたりするほか、同アプリの機能を使いリスナーがおみくじを引くコーナーなどを準備する。前叶さんは「今、決まった時期に決まったことができないストレスがある中で、オンラインとして形を変えて選択肢を増やすのは大事だと思う。実際の参拝と同じように満足していただくことはできないかもしれないが、少しでも心が晴れやかになり、良い新年を迎えてお過ごしいただければ」と笑顔を見せる。
「Radiotalk」の「midnight temple radio(お寺ジオ)」で聴ける。1日・2日のライブ配信は両日9時~9時30分。12月31日には同アプリ「紅白トーク合戦2020~夢を叶(かな)える~」の番組内「ゆく2020、くる2021」にも出演する。23時35分ごろ~24時30分。