東武動物公園駅構内に3月3日、受験生や卒業生に向けた東武動物公園駅職員作成の手書きメッセージが掲出された。
1899(明治32)年8月に杉戸駅として開設し、1981(昭和56)年に東武動物公園駅と改称した同駅。東武スカイツリーライン(伊勢崎線)と日光線が通る橋上駅で、1日の平均乗降人員は約2万8000人(2022年上期)。
2018(平成30)年ごろから、東武動物公園を訪れた同駅利用者へのおもてなしとして、5月にはこいのぼり、12月にはクリスマスツリーなど季節に合わせた制作物を紙や布で作成し、駅構内に掲出していた。駅を利用する卒業生にもメッセージを伝えようと、同年は小さいホワイトボードに「卒業おめでとう」と書いて掲出した。
同駅主任の島田優さんは「年々内容が増え、卒業生だけではなく受験生向けにも書いた。現在、当駅には6人の女性職員がいる。私にも子どもがいて受験なども経験したことから、自分たちが生活で経験したことなども含めて、メッセージを伝えようと、女性が中心となってメッセージを考えた。生徒や学生の皆さんは、コロナ禍で3年間いろいろな我慢をしていたと思う」と話す。
メッセージは2つ。「受験生のみなさんへ いよいよ入試の日が近づいてきましたね 緊張していますか?今が一番プレッシャーがかかる時期だと思います(中略)電車は決められたレールの上しか走れませんが みなさんは夢に向かって自由に好きな道を走ることが出来ます 輝かしい未来へのフリー切符 自分の手でつかみとりましょう!(後略)」
「ご卒業おめでとうございます!大雨、大雪によりご迷惑おかけした日もありましたが、3年間東武鉄道をご利用頂きましてありがとうございました。(中略)4月からそれぞれのレールを歩まれることでしょう。なかには地元を離れる方も多いと思います。いつでも東武動物公園駅を思い出して帰って来てくださいね!(後略)」
ホワイトボードの周りはピンク色の紙で作った花で縁取り、中心にはイラストも描いた。制作には1一週間ほどかかったという。島田さんは「イラストが得意な男性職員と、花も男性職員が作ってくれるなど皆で制作した。飾り付けている段階から、お客さまから『楽しみにしています』と声をかけてもらったり、写真に撮る人がいたりして、ありがたい」と話す。
同駅長の保栖文彦さんは「今は自動改札機など機械化で、お客さまとコミュニケーションが取れる機会が少ないが、このホワイトボードなどで私たちの気持ちが少しでも伝わったら」と話す。
3月20日まで掲出予定。