
藤の花が咲くこれからの時期、春日部市のうどん店「朝日屋」(春日部市藤塚、TEL 048-736-1296)では藤の花をイメージした紫色のうどん「藤うどん」を頼む客が増える。
2003(平成15)年に春日部麺類業生活衛生同業組合が開発した紫色のうどん「藤うどん」。春日部市の花「藤」をイメージし、紫色のアヤムラサキイモの粉を練り込み作る。
袋入りで販売する「半生の藤うどん」(880円)のほか、同組合員の店では、アヤムラサキイモの粉と埼玉県産の小麦粉あやひかりを使い、自家製の藤うどんを店内メニューとして提供している店もある。
1972(昭和47)年に創業したうどんとそばの専門店「朝日屋」でも、2003(平成15)年から店内メニューとして自家製の藤うどんの提供を始めた。2代目の時田将利さんは「最初は、藤うどんメニューは1つだけだったが、人気が出たので天ぷらをセットにするなどメニューを増やした。5、6年前からうどんは藤うどんのみにしている」と話す。藤うどんを使ったメニューは30品ほどあり、一番人気は「天つる藤うどん」(1,350円)。
通常、注文はそばが6割で藤うどんは4割だが、藤が開花し始める4月中旬から5月初旬にかけてはその割合が逆転するという。
時田さんは「例年、当店の近くに位置する『藤花園』が開園する4月中旬ごろからうどんのオーダーが増え始める。市内には他にも藤が咲く場所があるが、藤を見ると藤うどんを連想して食べに来てくれる方もいる」と笑顔を見せる。
うどんは前夜に仕込みを始め、粉に加水し練り上げた状態で一晩寝かせ、翌朝製麺する。最盛期は足踏みの工程が1時間に及ぶという。「ほどよいコシとつるっとした喉越しを意識して製麺している」と時田さん。
同店では、よりきれいな紫色になるように、黄色みの強い小麦粉を混ぜて製麺。「ざるうどんなど、冷たい方が藤うどんの色味はきれい。温かいうどんでも色味が分かりすいように、温かいうどんは薄口しょうゆを使ったかえしにしているので、色鮮やかに見えると思う」
同店でも販売している袋入りの半生藤うどんは3月にリニューアル。麺は少し細く、色味はより鮮やかになったという。時田さんは「お土産用は、当店だけではなく春日部市観光協会や道の駅庄和などでも販売している。自宅でも藤うどんを楽しんでもらえたら」と話す。
営業時間は11時~15時、17時~20時30分。第3火曜・水曜定休。