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春日部の「田中帽子」麦わら帽子出荷大幅減も通販堅調 マスク焼け予防提案も

倉庫にある1万個以上の麦わら帽子も徐々に減り出した

倉庫にある1万個以上の麦わら帽子も徐々に減り出した

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 麦わら帽子などの製造販売をする「田中帽子店」(春日部市赤沼、TEL 048-797-8391)は、コロナ禍で出荷が大幅に減少している。

オリンピック用に作ったという新作「Roger(ロジャー)」も通販に。観戦用でつばが広い

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 140周年を迎えた田中帽子店は、1880(明治13)年に創業。100種類以上の木型を保有し、その型に合わせ熟練の職人が手作りしている。麦わら製の帽子やラフィアや麻などの天然草の帽子も手掛け、ウールフェルトハットなど冬用の商品も製造している。

 麦わら帽子は秋から縫い始めて次年の春から出荷する。例年はゴールデンウイーク前までに出荷をほぼ終え、小売店やデパートの店頭に並ぶ。今年は4月7日に緊急事態宣言が発令されたため、納品先の小売店などの半分ほどが休業となり、出荷できない商品が残っていて、さらに追加の注文が無い。

 6代目の田中優社長は「少しずつ出荷され始めたが、倉庫にはまだ在庫が溢(あふ)れている。今年も含め毎年3万個ほどの出荷数だが、多数が売り場に出ていない状態。普段はゴールデンウイーク前の需要がピーク。今年はピークが先にズレたら良いとは思うが、追加の発注も見込めず売り上げは下がる見込み。このままでは来年の注文がかなり少なくなるのではと危惧している」と吐露する。

 だが、通販は例年よりも動きがあるという。通販ではつばが広い女優帽タイプやカンカン帽、ポークパイハットなど、色サイズ違いなどを合わせると100種以上商品を取り扱う。「外出自粛のためか、通販は動いている。サイズが合わなかった場合にはサイズ交換ができる上、かぶり方やお手入れ、保管方法などもサイトに載せている」と言う。

 「気温が上がり始め、マスク焼けを心配して買うお客さまが出てきた。真夏にマスクをすることは多くの人にとってあまり経験が無いこと。どんな夏の過ごし方をしたらいいのかと考えていく中で、マスク焼け防止や、麦わらの通気性が良いことなどから暑さ対策など、今年はファッション的な要素よりも実用的なものとしてお役に立てると思う」と話す。

 「もともと麦わら帽子は農家の方などが日よけのために、遮光性が高く、通気性の良い麦わら帽子をかぶっていた。今年は原点回帰となるのでは」とも。

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