ラーメン店「えびそば金行(かねゆき) 豊春店」(春日部市上蛭田、TEL050-6874-4647)がオープンして1カ月がたった。
2019年10月に山梨県で創業。1号店はキッチンカーと併設テントで屋台風の店だった。代表の吉田孝志さんの「海外に日本食を発信していきたい」という思いから始まり、北海道、茨城県など直営店6店を展開する。
吉田さんは「アメリカの大学に通ったり、ハリウッドで映像関係の仕事をしていたりと、外から日本を見てきた。海外で日本は良い印象で受け止められているが、日本食らしくない日本食が多いことに疑問を抱いた。ラーメンは海外でも人気があり、オリジナリティーや思いを味に表現できる。日本の食材や、ラーメンに対する姿勢も発信していきたいと思い、3年ほど研究を重ね、試験的にラーメン屋台を始めた」と経緯を明かす。
国内で外国人観光客が多く訪れる場所を探し出店。応援してくれる人が提供してくれた場所は山梨県河口湖周辺の着物店の駐車場だった。見つけにくい場所でなかなか来客がなかったが、駐車場から見える富士山を撮りに訪れる旅行者が来店するようになり、次第に客が増えたと言う。
「右も左も分からず海外出店を目指しスタートしたが、日本の方に、おいしいのになぜ店を出さないのかと言われていた。コロナ禍で外国人観光客が減り売り上げがガクンと落ちたが、コロナ禍で苦境に立たされていた知人をサポートしようと、チャレンジの一環として甲府に2号店を立ち上げた。たくさんのお客さんが来てくれ、自分たちでもできることがあると感じたことから、同じような状況だった知人のため北海道への出店につながった」と振り返る。
豊春店は知人のサポートではなく、関東圏に出店したいとの思いから。春日部周辺に仕事で訪れたことがあった吉田さん。「春日部は空が広くとても夕日がきれいで、大好きなアメリカの空に似ていた。アメリカ出店のイメージにも合い、運命的なものを感じた。周辺の駅にも行ってみたが、豊春駅の雰囲気がとても気になった。周辺の店に入ったら接客が暖かく、ここで賑(にぎ)わいを創り出す一助になれたら」と、この地を選んだ。
オープン初日は行列ができ、150杯を販売。店長の佐藤優さんは「店には駐車場も無く、チラシを配っただけだったが、ずっと行列ができていてたくさんの方が来てくれてうれしかった」と話す。
提供するラーメンは4種。全てのラーメンに「2ミリの厚さのジューシーなチャーシュー」と言う「レアチャーシュー」をのせる。特製中細麺を使う、オマール海老、豚骨、鶏ガラのスープを合あわせ、トマトの酸味と甘みを加えた「海老蕃茄拉麺(えびとまとらーめん)」940円、オマール海老をはじめ数種類の海老を使い、オマール海老の頭から炊き出しただしとみそを併せて作った特製みそでコクを足した「海老味噌拉麺」890円。
極細麺を使う、桜海老と豚骨、鶏ガラを使ったあっさり塩味の「海老塩拉麺」890円、くさみがなく胸焼けしない豚骨スープを作るため、鶏ガラと広島県産魚介のダシを合わせ、コクは残し、脂の量を減らしたという「廣島豚骨拉麺」790円。
佐藤さんは「一杯一杯大切に作り、お客さんへの感謝を忘れずにいきたい。知名度はまだ低いが多くの方に知っていただけるようになれば。コロナ対策はしっかりしていくが、いろいろな面でコロナに負けない、コロナ時代を生き抜く強さを示していきたい」と力を込める。
営業時間は11時30分~14時30分、17時30分~21時(スープが無くなり次第終了)。