任意団体「東武鉄道沿線連携勉強会」の第6回東武鉄道沿線連携勉強会が2月11日、オンラインで行われた。
住宅情報サイト「SUUMO」編集長池本洋一さんもコメンテーターとして参加
2016(平成28)年に草加市で行われたリノベーションスクールなどをきっかけに、遊休空間や不動産利活用に効果があったことから、民間主導や公民連携のまちづくりに携わる地域のプレーヤーが同市だけでなく、幸手から北千住までの東武鉄道沿線のまちで連携できないかと始まった勉強会。
発起人は、草加市で「つなぐば家守舎」として「シェアアトリエつなぐば」を運営する同団体会長の小嶋直さん、同市市役所産業振興課課長の高橋浩志郎さん、日本工業大学建築学部教授の佐々木誠さん。第1回は2017(平成29)年6月に「沿線での連携の可能性」をテーマに宮代町で、第3回は2018(平成30)年5月に越谷市で「ドラマになるまち」をテーマとして行うなど、回を重ねてきた。
今回は、日本工業大学地域連携センターの共催で、幸手市、杉戸町、宮代町、春日部市の4自治体が後援して行われた。感染症拡大防止のためZoomを使って非公開のオンラインで行い、140人以上が参加(主催者発表)。各エリアからの近況報告やコロナ禍での取り組み、課題や展望を話し合った。
会長の小嶋さんは「私もこの会をきっかけに、沿線で活躍するローカルプレーヤーとつながり、大きく変わった。参加した方々も、それぞれの地域が豊かになるようなつながりも生まれている。沿線で一緒に何かしようというよりも、それぞれの地域活動をより磨き上げるために協力して行けたらと考えといる。それぞれの地域の活動を円滑にしていくために生かしていただければ」と話す。
宮代町・幸手市・岩槻区・千住の4エリアから、取組を報告した。幸手からは、関伸行さんが民間自立型まちづくり会社「家守舎日の出」の空き店舗活用による事業などの取り組みについて説明。岩槻の民間自立型まちづくり会社「岩槻家守舎」の上村明日香さんは、遊休空間を使い2月27日にカフェとシェアオフィスをオープンすることなどについて、千住地域で公民連携型空き家利活用を行う「千住 Public Network」代表の青木公隆さんは、空き家を改修した古民家複合施設「せんつく」などについて説明した。
年内に東武動物公園駅西口で商業施設が開業を予定し、東武ストア(東京都板橋区)と良品計画(東京都豊島区)が出店する宮代町エリアについては、良品計画の東武沿線ブロック 東武動物公園エリア企画準備室の藤岡麻紀さんが登壇。良品計画の歴史やさまざまな地域や企業とつながり、共創をテーマに空間づくりを行っている事例などや沿線への土着化をテーマに取り組みを紹介。地域と信頼関係を築き、あの商品がほしいというだけではなく、あのスタッフに会いに行きたいというようなことを積み重ねることが「土着化」になるのではないかと説明した。
藤岡さんは「現在施設の基礎工事は進んでいる。これまで同エリアで雑談会やイベント参加などをしてきたが、この場所には生活者目線の無印良品が必要だと感じた。皆さんの創業につながったり商いになったりするような新事業や、駅前広場や遊休不動産などを活用し、商いが継続的に生まれるような活動を一緒にやって行くことができれば。まちの皆さんと協業してできることも育てていきたい」と話した。
住宅情報サイト「SUUMO」編集長池本洋一さんもコメンテーターとして参加。「スピード感があると感じた。思い切りの良さや、つながりからの情報連携があり、スピード感を高めていると思う。コロナ禍でIT化が進みメディアが多様化したが、共感を持って捉えられれば、多くの人に情報を届けられる時代になった。共感を得ることがとても重要で、応援したくなるような事業が拡散のカギとなると思う。今後重要になっていくのは市民を巻き込んだ魅力的なまちづくりだと思う」と話した。