イタリアン「Seminare (セミナーレ)」が(越谷市蒲生茜町、TEL 048-871-5289)が7月20日、越谷の住居兼複合施設WAnest(ワ・ネスト)内にオープンした。
固定種と在来種の野菜や天然の魚介類、ジビエ料理を提供する同店。席数は、カウンター4席、テーブル8席。「自然の恩恵に感謝し、人々を幸せにする」という理念を掲げる川島徹さんがオーナーシェフを務める。
子どものころから料理人になりたいと思っていたと言う川島さん。「母子家庭で育ち、3人兄姉の末っ子。小学2年生の時に、忙しい母の代わりに兄妹の分のご飯を作った。冷や飯でチャーハンを作ったが、兄妹が『おいしい』と言ってくれたことが、料理人になろうと思った原点。豊かな環境ではなかったが、誰かにうれしいと思ってもらえると自分がうれしいということに気付いた」と振り返る。
高校生の時、料理店でアルバイトを始めた川島さん。特に印象深いのはまき窯でピザを焼くピッツェリアで働いたことだと言う。「まきで調理するのは、数値などではなく、毎日の経験が物を言う。窯から出てくる熱気や、火の動きで温度が分かる。火の扱いの原点を学んだ」
高校卒業後、生まれ育った群馬県から東京へ。マンダリンオリエンタル東京に入社し、イタリア料理店で働いた。川島さんは「自分は料理ができるものと思っていたが、全く通用せず悔しい思いをした。仕事で認めてもらおうと料理を学び続けた」と言う。都内のリストランテで料理長を務めた後は、出張料理人として活動していた。
祖父母が畑を持っていて、小さいころから畑の手伝いをしていたこともあり、野菜が好きだった。川島さんは「種は大切。野菜の固定種、在来種を広めようと思い、出張料理人として料理をしていたが、知人から紹介された物件が、自分が求めていた雰囲気にぴったりだったことから、急きょ店を開くことにした」と経緯を明かす。
ランチメニューは、焼き野菜が載ったリゾットの「限定ランチ」(1,500円)、メイン料理をリゾットかパスタから選び、前菜とドルチェが付いた「Aコース」(3,500円)、Aコースにサラダやスープが付いた「Bコース」(6,500円)。ディナーは、10品から成る「ディナーコース」(8,000円)とアラカルトを用意する。ソフトドリンクは、野菜とハーブを使ったノンアルコールドリンクなどや酒類もそろえる。
川島さんは「固定種や在来種の野菜は手に入りづらく価格も高いが、農薬などを使っていない農家も多いため安全性も高いと思う。スーパーで買い物する時などに、たまにはオーガニックの野菜を買ってみようなどと、選ぶ野菜を意識してもらえたら」とも。
営業時間は、11時30分~15時(土曜・日曜・祝日は12時~)、17時30分~22時30分(同22時まで)。時短営業や酒類の提供は行政の要請に合わせる。水曜定休。コースはいずれも予約が必要。予約は電話とホームページで受け付ける。