埼玉県立大学(越谷市三野宮)で2月2日、在宅医療セミナー「安心して暮らすための介護医療連携とまちづくり」が行われた。主催は春日部在宅診療所ウエルネスで、約200人が参加した。
「Onmatable(オンマテーブル)~地域を結ぶ台所」による料理が並ぶ
春日部在宅診療所ウエルネスの笹岡大史院長は、「これまで在宅医療の現場を見てきて、最期まで自宅で過ごしたいと思いながら、治療可能な病気も無くなった状態で入院することが多いという状況に違和感を覚えた。命の大切さや看取りの在り方の課題を見出し解決したい」という思いから、講演会を企画した。
講演では、同大の田中滋理事長が、医療機関や介護事業者が住民や自治体と共に介護の在り方などの構想を共有し、新たなまちづくりに協力する必要性を説いたほか、「医療法人ゆうの森」(愛媛県松山市)の永井康徳理事長が、地域包括で介護システムを作るには「独居でも看取れる在宅医療」を目指す必要性があると訴えた。
笹岡院長も交えた3人でのシンポジウムでは、「元気なうちから自分の人生の終(しま)いについて身近な人と話し合う『人生会議』の大切さ」や、「在宅か介護かは二者択一ではなく両方利用して良い」など、介護医療についての意見交換が行われた。
セミナー後には同大学食堂内で懇親会が行われ、「食と健康は重要な関連があり、介護や病気の予防には食生活が大切だと感じてもらうため」に、自然食カフェレストラン「Onmatable(オンマテーブル)~地域を結ぶ台所」による、自然農法で作られた旬の野菜を使った「オーガニックキヌアと遊佐農場の根菜ロースト」「カボチャとサツマイモの米粉タルティーヌ」などの料理が並んだ。