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春日部のパン店が2周年 キルギス出身の職人が作るパン「ノン」販売

シェルゾット・サトバルディエフさんと、かおりさん夫婦

シェルゾット・サトバルディエフさんと、かおりさん夫婦

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 中央アジアのパン「ノン」を販売する「Silkroad Bakery SHER(シルクロードベーカリー シェル)」(春日部市増富、TEL 070-5544-8811)が7月1日、2周年を迎えた。

中央アジアでは主食となるプレーンなノン「タンドゥールノン」

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 キルギス共和国出身のシェルゾット・サトバルディエフさんと日本人のかおりさんは、2014(平成26)年に横浜市から春日部市に移り住んだ。母国では、祖父の代から日本でいうパン「ノン」職人のシェルゾットさんは12歳からノンを作り、日本でも複数のパン店でパン製造の修業をしたという。

 元々ノンを製造販売する予定は無かったが、故郷のノンが食べたかったシェルゾットさんが、手製のタンドール風オーブンでノンを焼き、同郷の友人たちに振る舞ったところ評判を呼んだ。販売してほしいといわれ、通販を開始。さらに、「せっかくここで焼いているのだから近所の方にも食べてもらえたら」と、2018年(平成30)年に自宅敷地内に店を開いた。

 販売商品はパン7品、ケーキ1品、キルギス産の蜂蜜。骨付きの鶏モモ肉を手作りのパイ生地で包み焼き上げる「チキンパイサムサ」(410円)、ラム肉が入った「タンドゥールサムサ」(378円)、中央アジアでは主食となるプレーンなノン「タンドゥールノン」(378円)など。油分はバターのみで、添加物と保存料も使わず、キルギス共和国でのノンと同じ作り方をしている。

 シェルゾットさんは「初めは中央アジアの商品が日本の方に受け入れられるのか不安だった。今では『いい匂いがする』と近所の方が買いに来てくれたり、ラム肉が苦手な方でも、ラム肉が入ったノンをおいしく食べられたと言ってくれたりする方もいる。開店当時は外国の方が多かったが、今は市内だけではなく、東京や神奈川、東北、名古屋からの来店もあり、自分たち思っていたよりも客層が広がった。当店がきっかけで中央アジアに旅行に行ったというお客さんもいる」とも。

 「一番来てくれているのは近所の方。近所の方に支えられている。今買いに来て、食べてくれている子どもたちが当店のパンを食べて育ち、大人になった時に思い出の味や好きな味となったらうれしい。通販で全国に販売しているが、今後は工場などでも製造し、中央アジアのノン、サムサという商品をより多くの日本の方に知ってもらえるようになれば」と笑顔を見せる。

 日曜のみ営業。営業時間は10時~16時。

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